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目黒side
ほぼ無理やり。Aさんを連れてきた。2年くらい一緒に働いてる。まぁ、晩御飯とかはずっと断られてた。
目｢…初デート。｣
A｢ん？なんか言った？｣
目｢いや、大丈夫っす。｣
俺が相談があると伝えると、迷わず席についてくれる上司。いい上司なんだと思う。だけど、俺にはそう思えない。だって。好きだから。
A｢そうだったんだね。目黒君はさ…」
目｢そうなんすよ。はい…｣
ぶっちゃけ、二人になるための口実。だから相談内容なんて適当なわけ。それでもしっかりと考えてくれるAさん。こういう真面目な所も必死に店舗で働く姿も好きなんだよね。
A｢さて、そろそろ出よっか？」
目｢もう終電の時間ですもんね…｣
たかが3時間。されど3時間。我慢してた俺の気持ちは留まることを知らない。
店を出て、並んで歩き出す。
A｢目黒君なにで帰るの？」
少し頬が赤い。可愛いな…ここで聞いとかないとなんも出来ないから。
前を歩きながら話しかけてくれるAさん。振り向いた瞬間に手を引き、抱き寄せた。
A｢え・・・」
目｢ねぇ、岩本さんとどういう関係なの？」
A｢目黒君？」
顔が見えない、だから、少しでもAさんの声で反応がわかるように、Aさんの肩に顎を乗せる
目｢俺のミスなのに。わかってるけどさ、Aさんと岩本さんを見てるのがつらい。」
A｢どうしたの？なんか変だよ？」
変なのは今に始まったことじゃない。ずっと隠してただけ…
目｢ねぇ、気付いてよ。…A｣
抱きしめていた腕を緩める。正面からAさんを見つめて、ゆっくりと近づく。固まってるAさんに遠慮なく触れる唇
目｢好きだよ。俺の事も意識して？」
名残惜しいけど、体を離して、歩き出す。放心状態のAを置いて。
目｢ごめん。先帰るわ。気を付けて帰ってね」
A｢え？あ、おつかれさまです…｣
振り向いてはないけど、状況理解できてないな、これは。ってくらい間抜けな声を出すA
目｢ふふｯw｣
ぽかんとした柚の顔を思い出すと顔が綻ぶ。まだ、結果が出たわけじゃない。岩本さんよりも俺のほうがずっと傍で見てきた。だから、俺を選んでよ？
誰よりもAの事を好きだから。
目｢遠慮なんてしてやんない。｣
東京の夜。ビルに埋もれた四角い夜空を見上げた。
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作者名：uzuuzu | 作成日時：2021年3月1日 1時
