ありがとうのほうが良いかな？ ページ25
岩本 side
あまりにも反応が面白くて、意地悪したくなって、耳元でささやく。それがダメだった
ガシャンッ
岩｢危ない！」
気付いた時には体が動いてた。
入口に立てかけられたシャッターの軸にAさんがぶつかる。
岩｢……｣
A｢…え？｣
留め具が壊れたのか、倒れてきた軸とAさんの間に入っていた
A｢照君？」
岩｢…大丈夫？｣
良かった…マジで焦った。
庇うように抱きしめていた彼女は目を見開いて俺を見る。
A｢…ｯ?!照君は⁈」
岩｢俺は大丈夫！鍛えてるしね？」
嘘。めっちゃ痛いし、多分やったけど。腕の中のこの子には知られちゃいけないと思った。だって、めっちゃ泣きそうだし。
A｢ごめんなさい。」
岩｢うーん。ありがとうのほうが良いかな？」
目を合わせて笑いかける。頑張って笑おうと答えてくれる
A｢…ありがとう」
岩｢ﾌﾌｯ！うん、またね！｣
ﾎﾟﾝｯ
頭を軽く撫でて、何事もなかったように店を離れる
岩｢…もう大丈夫かな？｣
角を曲がり、見えなくなる頃、スマホを取り出す
prrr prrr
岩｢あ、舘さん？？今、大丈夫？｣
宮｢照？大丈夫だよ。どうかした？｣
うん。今日飲み会なんだけどね？同期のやつ。無理そう。
岩｢ちょっと、やっちゃった｣
宮｢え？…とりあえず、ふっかと阿部ちゃんに連絡したら行くから、こっち向かってこれる？｣
岩｢…歩くのも響くかも。｣
宮｢了解。どこか座って、連絡くれる？｣
岩｢わかった、ごめんね｣
宮｢気にする事じゃないよ｣
落ち着きのある舘さんに任せて、俺は近くの公園に向う。
あーあ、かっこ悪いなぁ…
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作者名：uzuuzu | 作成日時：2021年3月1日 1時
