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阿部 side
ほんと、ついさっき。仕事が終わったのか、さよなら告げて出てった。なのに、女の子を連れてまさかの来店。
阿｢うちは専門のトレーナーをつけて、本格的に運動できるよ？｣
向｢ええやん！俺も筋トレしたい！｣
阿｢とりあえず、入会手続きしよっか？｣
メニューを覗き込む二人に必要事項記入してもらう。で、それをシステムに打ち込むんだけど…
阿｢康二、関西出身のスタッフとかどう？｣
向｢ええやん、俺この人で筋トレにしよかな！｣
気づいちゃった。照が言ってた子じゃん。ちょっとだけね？面白そうじゃん？康二、乗り気だし？シレっとね。誘導するだけだよ？
阿｢柚ちゃんも筋トレにする？康二と話しながらもトレーニングできるよ？あ、Aちゃんって呼んでいい？」
ビクッ
体を震わせる彼女は小動物みたいで面白い。うん。凄くいい。照とセットでみたいなって。
A「好きに呼んでください。じゃあ、私も筋トレで…」
阿「トレーナーどうしようか？康二の知り合いのほうが良いよね？」
A｢そうですね…｣
あと、もう一工夫。気を遣うフリをして、それとなく。康二がくいつくように。
向｢あ、照兄(てるにぃ)？｣
阿｢そうそう！どうかな？」
向｢俺も賛成！A、照兄はええよ！優しくて、わかりやすい！あとかっこいい！」
A｢かっこいいは特に興味ないわｗ」
良い感じなんじゃない？照がんばってねw
A｢じゃあ、照兄さんで！」
阿｢了解、今日は一時間で予約するね？着替えておいで！」
あえて、名前は教えないよ？さて、舞台は整った。
受話器をとり、ダンス部署に内線をかける
田｢もしもし、ダンスコースの田中です｣
阿｢あ、お疲れ様です。受付の阿部です。深澤さん、お手隙でしょうか？」
田｢かしこまりました、少々お待ち下さいね｣
受話器の向こう側で保留音が流れる。だめだ。すごく楽しい。
深｢お疲れ様です。深澤です。」
舘さんはそんなだろうけど、ふっかなら喜んで参戦してくると思うんだよね。
阿｢あ。ふっか？実は…」
深｢なに？どうしたの？｣
阿｢来たんだよ！あの子！照が言ってた！｣
深｢うそ？！まぁじ？？え、居酒屋の？｣
そうだよ！あの子だよ！
阿｢面白くなりそうじゃない？w｣
深｢俺、早番なのよ。｣
阿｢うん、あと5分？｣
深｢…ちょっと動画撮ってくるわ！｣
阿｢ふっか、やっば！w｣
ｶﾁｬｯと電話がきれる。あいつまじで動画撮りに行くんだろうな。見せてもらおっと。
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作者名：uzuuzu | 作成日時：2021年3月1日 1時
