口説き第参拾弐話* ページ32
朝、ゆっくり目を開けると、目の前に肌色がブワッと入ってきて、固まる。
煉獄さんに抱きしめられて寝ていたのか。私は。
____煉獄さんに完全に流されてしまった。
起き上がろうとしても、しっかりと回された腕から抜け出せない。
「杏寿郎さん、朝ですよ」
「…A」
チュッと音が響き、固まってしまう。
「きょ、、杏寿郎さんっ…!!」
「…まだ千寿郎は来ない」
フッと笑う煉獄さんにクラっときてしまう。
このままじゃ朝も流されてしまう。
「君が欲しい」
「あー!いくら杏寿郎さんがカッコよくても朝は流されませんから!!」
煉獄さんは綺麗な笑顔で、ふーん?と呟く。
やめて、煉獄さんっ…カッコいいから。
「あぁ、思い出しました…!私やる事があるので」
煉獄さんから抜け出そうとすると、腕に力を込められ、体が密着してしまう。
「…逃がさない」
「流されませんからね、杏寿郎さん」
キスをしてこようとする杏寿郎さんの口元を両手で押さえる。
なぜか煉獄さんは嬉しそうに目を細める。
「…なぜ笑っ…」
手のひらにヌルッとした感触。
「きょ…」
プルプル震える私を煉獄さんは目を細めて見つめ、手のひらの舐めてくる。
つい、手を離すと、すぐに唇が重なる。
待って、完全に流される。
「朝からはっ…だ、めで…」
身を捩り逃げようとするが、やはり逃げられない。
「逃がさない、と言っただろう?」
すぐに視界はクルリと変わり、天井と、煉獄さんが見える。
「廊下を歩いている千寿郎や父上にバレないように声を押さえること」
「廊下を歩いて…って起きてるじゃないですか……!」
軽く煉獄さんを軽く睨めば、愛らしい、と返される。
「君を好いている。君が居なければ俺は生きてはいけまい」
「……そんなこと、無いですよ。杏寿郎さんは強く生きるんです。何があっても」
「A」
あぁ流されてしまう。
腰が痛いのに、体が悲鳴上げてるのに。
やっぱり恥ずかしいけど言うしかないのかな。
「…痛いです」
「?」
「腰とか全身が…その昨日のアレで……」
小さく呟くと、煉獄さんはポンッと顔を赤くした。
「よもや…!!それはすまない!!もっと早く腰が痛いと言ってくれれば!!」
大きな声で言われ、私は急いで口元を押さえる。
「杏寿郎さんっ!!」
煉獄さんは眉を下げて笑う。
ゆっくり手を離すと、顔が近づいてきた。
「だが甘い時間がなくなるわけでは無いぞ?」
私は目が点になった。
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古猫丸(プロフ) - yersk0402さん» これはこれはyersk0402様!!いつも胸きゅんコメントありがとうございます〜!!本当に嬉しくて、私もコメントを見た瞬間きゅんきゅんしっぱなしです!(/ω\)いつもコメントありがとうございます!!m(_ _)m (2020年12月1日 0時) (レス) id: a0dec71c2f (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - みゆさん» みゆ様ァァ!!ありがとうございます〜!!。゚(゚´Д`゚)゚。嬉し過ぎてなんと言葉に表せばいいのでしょうか!!とても嬉しくて励みになりっぱなしです!!コメントありがとうございました!!m(_ _)m (2020年11月30日 23時) (レス) id: a0dec71c2f (このIDを非表示/違反報告)
yersk0402(プロフ) - 煉獄さんにもっともっと愛されたーいです!ずっときゅんきゅん、しっ放し!あたしも心臓ばくばくです! (2020年11月30日 22時) (レス) id: 04e5911f66 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - またまた来ましたヾ(*´∀`*)ノ お話が大好きで更新されるのを待ってました(*´ω`*) 今後がますます気になり過ぎて更新されるのを楽しみに待ちたいと思います(つ´∀`)つ (2020年11月30日 22時) (レス) id: ad229492c1 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - みゆさん» わぁぁぁ!!ありがとうございます!。゚(゚´Д`゚)゚。そう言っていただけると、やる気が出ます〜!!これからもよろしくお願いいたしますっ!!m(_ _)mコメントありがとうございますした! (2020年11月26日 3時) (レス) id: dd08b68fc6 (このIDを非表示/違反報告)
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