口説き第参拾話 ページ30
「ひゃぁぁやばい、やばい、課題が終わらない!!」
ほぼ半泣きでペンを動かしていく。
明日までに提出しなきゃいけないのに。
こっちの世界でやっていても、なんせ煉獄さんが甘いから。
「急がないと」
すると部屋の外から足音が聞こえた。
その足音は私の部屋の前に来ると止まった。
え、こんな時間に誰___?
課題をまとめて、隅に置く、そして、寝間着の上に羽織っていた着物をかけた。
ランプを持って、そっと襖に近づく。
そしてゆっくり襖を開ける。
「よも…」
私は急いで閉めた。
見間違いだ。
居るわけないでしょ。こんな時間に。そもそもこんな時間に来るなんて……煉獄さんに限ってそれはないはず。
「入ってもいいだろうか…?」
優しく静かな声だった。
「…どうぞ?」
断れるはずもなく、返事をすればゆっくり襖が開いた。
いつもはピシッと隊服を着こなす煉獄さんだが、今はなんて無防備な格好なのだろう。
寝間着用の着物姿の煉獄さん。
色気ダダ漏れで本当に恐ろしい。
「A、こんな時間まで起きているとは、何をしていた?」
「杏寿郎さんこそ、寝ていないと」
「うむ…」
二人で向かい合い、正座をしている。
めちゃくちゃ気まづい。
「なかなか寝付けなくてな…良かったら、Aの隣に寝かせてはもらえないだろうか」
うん。それは絶対ダメです。煉獄さん。
あなた自分がめちゃくちゃ魅力的だと言うことを分かっていない。
とかガミガミ言いたいけどグッと堪えて一言。
「…ごめんなさい、ちょっと今日は」
大丈夫、冷たすぎず、甘すぎず、絶妙なバランスのコメント。
ごめんなさい、課題やらないと。
煉獄さんは目を見開いて、その後、目を細める。
「もう俺には飽きたのか?」
「いや、そんな事ないです…!」
なんでそうなるの、煉獄さん!!
「隣に寝ることすら許してくれないのか…?」
ジリジリと近づく煉獄さん。
なんか少し、嫌な予感がする。
「今日の朝まではあんなに愛し合ったのに」
「いや、今も杏寿郎さん、大好きですよ?」
「汚す事も君は構わないと言った」
煉獄さんは真顔で言う。
汚す事って、え?
「杏寿郎さん、休み…ちょ、ちょ、えぇっ!?」
あっという間に隣に敷いていた布団に押し倒される。
「きょ、きょ、杏寿郎さん?あの、今日はその……ね?休まないとだから」
「俺はもう十分休んだ。今はAが欲しい」
煉獄さんはランプの光を消した。
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古猫丸(プロフ) - yersk0402さん» これはこれはyersk0402様!!いつも胸きゅんコメントありがとうございます〜!!本当に嬉しくて、私もコメントを見た瞬間きゅんきゅんしっぱなしです!(/ω\)いつもコメントありがとうございます!!m(_ _)m (2020年12月1日 0時) (レス) id: a0dec71c2f (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - みゆさん» みゆ様ァァ!!ありがとうございます〜!!。゚(゚´Д`゚)゚。嬉し過ぎてなんと言葉に表せばいいのでしょうか!!とても嬉しくて励みになりっぱなしです!!コメントありがとうございました!!m(_ _)m (2020年11月30日 23時) (レス) id: a0dec71c2f (このIDを非表示/違反報告)
yersk0402(プロフ) - 煉獄さんにもっともっと愛されたーいです!ずっときゅんきゅん、しっ放し!あたしも心臓ばくばくです! (2020年11月30日 22時) (レス) id: 04e5911f66 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - またまた来ましたヾ(*´∀`*)ノ お話が大好きで更新されるのを待ってました(*´ω`*) 今後がますます気になり過ぎて更新されるのを楽しみに待ちたいと思います(つ´∀`)つ (2020年11月30日 22時) (レス) id: ad229492c1 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - みゆさん» わぁぁぁ!!ありがとうございます!。゚(゚´Д`゚)゚。そう言っていただけると、やる気が出ます〜!!これからもよろしくお願いいたしますっ!!m(_ _)mコメントありがとうございますした! (2020年11月26日 3時) (レス) id: dd08b68fc6 (このIDを非表示/違反報告)
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