コソコソ第弐拾玖話 ページ29
『杏寿郎！まだ回復していない身体でAと…』
『兄上…僕は兄上とAさんを応援していますので、ご安心くださいっ』
何故か二人に完全にバレている。
でもどちらにせよ、
「俺はAと結婚するつもりです」
父上は仕方ないという顔をしていた。
『ただ、気をつけろよ、杏寿郎。Aはお前の事を狙いまくっていて変に突っ走る奴だからな』
「父上よりもAを理解しておりますので、ご心配には及びません」
父上よりも俺の方がAを知っているに決まっている。
沢山愛した身体、可愛らしい性格も、全て俺の方が知っている。
想いを確かめ合ってから彼女が今まで以上に愛おしい。
「A」
一時俺は非番だ。俺は洗濯物を干し終えたAに後ろから抱きついた。
驚くAの首に顔を付けて、耳、頬へと口付ける。
「杏寿郎さんっ！ ！ ここ、外ですっ…」
顔を真っ赤にしたAが俺を見て小声で言うから、可愛らしくて仕方がない。
「きょ、杏寿郎さん、まだ休まないと…」
心配してくる彼女の口を塞ぎ、彼女の髪を結っている紐を取って、手に彼女の髪を絡ませる。
足に力が入らなくなってきた彼女を抱き上げて部屋に連れて行こうとすると、
「杏寿郎、Aは置いていけ」
「父上、何か用でも？ 」
「お前は休め、杏寿郎！ 」
「父上にAは任せたくありません！ 」
腕の中にいるAは、一言で言えば色っぽい。
下ろされた髪に、紅潮した頬、口から少し垂れる交じった唾液。少しズラされた襟元。
渡せるわけが無い。今から自分が、というのに。
「いや、置いていけ」
「いくら尊敬する父上でも聞き入れられません！ 」
「…分かった」
その瞬間父上はあっという間にAを奪い取った。
「うっ重い…！ 」
「っ…お義父さま、それは口に出さないでくださいよ！ ！ 」
「…A、杏寿郎のためにも、頼む」
「！ ……はい、もちろんです、お義父さま」
Aはすぐに身だしなみを整え、俺に微笑みかけた。
「杏寿郎さん、休んでください？ 」
「俺はもう、明日からでも隊に参加できる！ ！ 」
「杏寿郎さん、休まないとサツマイモご飯作りませんよ」
「よもや…！ ！ 」
こうして俺はまた休む事になった。
夕食は千寿郎が嬉しそうに持って来てくれるので、Aと代わって欲しいとは頼めない。
夜になり、皆が寝静まった頃に目が覚めた。
ゆっくりと襖を開け、部屋を出る。
迷わず足が彼女の元へと向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 693人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
古猫丸(プロフ) - yersk0402さん» これはこれはyersk0402様！！いつも胸きゅんコメントありがとうございます〜！！本当に嬉しくて、私もコメントを見た瞬間きゅんきゅんしっぱなしです！(/ω＼)いつもコメントありがとうございます！！m(_ _)m (2020年12月1日 0時) (
レス) id: a0dec71c2f (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - みゆさん» みゆ様ァァ！！ありがとうございます〜！！｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡嬉し過ぎてなんと言葉に表せばいいのでしょうか！！とても嬉しくて励みになりっぱなしです！！コメントありがとうございました！！m(_ _)m (2020年11月30日 23時) (レス) id: a0dec71c2f (このIDを非表示/違反報告)
yersk0402(プロフ) - 煉獄さんにもっともっと愛されたーいです！ずっときゅんきゅん、しっ放し！あたしも心臓ばくばくです！ (2020年11月30日 22時) (レス) id: 04e5911f66 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - またまた来ましたヾ(*´∀｀*)ノ お話が大好きで更新されるのを待ってました(*´ω`*) 今後がますます気になり過ぎて更新されるのを楽しみに待ちたいと思います(つ´∀｀)つ (2020年11月30日 22時) (レス) id: ad229492c1 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - みゆさん» わぁぁぁ！！ありがとうございます！｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡そう言っていただけると、やる気が出ます〜！！これからもよろしくお願いいたしますっ！！m(_ _)mコメントありがとうございますした！ (2020年11月26日 3時) (レス) id: dd08b68fc6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
