口説き第弐拾漆話 ページ27
宇髄様は、私の背中を擦りながら続けた。
「もうお前らがこんがらがって、こういう面倒事起こされるの困るから言っちまうけどよ_____」
私は目を見開いた。
煉獄さんは私の事を考えてくれていた。
恋仲になって、煉獄さんが死んで、私を悲しませるのが嫌だからって。
***
夜
柱の方達が帰り、千寿郎君達も寝た。
「煉獄さん」
私は優しく煉獄さんの頭を撫でた。
「煉獄さんが死んで、恋仲じゃないから悲しまないって事はないですからね。煉獄さんに振られた人も深い悲しみは感じますよ」
煉獄さんの額に口付ける。
「…三ヶ月間も捜し続けてくれたんですね。ありがとうございます」
私は灯りを消して、ゆっくり立ち上がって、部屋に戻ろうとすると、
ガバッと布団が持ち上がった。
「わっ…」
勢いよく布団に吸い込まれる。
「A…逃げてはいけない」
ギュウと後ろから抱きしめられて、うなじに顔を付けられる。
「逃げませんよ、煉獄さん」
「信じられないな」
静かな空間にリップ音と布が擦れる音が響く。
「れ、煉獄さん…もう……いいですか?」
「杏寿郎だ、A。あと、まだだ」
三ヶ月間会えなずにいた事は彼にとってはとてつもなく大きな事だった為、離してくれない。それどころか煉獄さんはキス魔みたいになってる。
「杏寿郎さん、寝ないと。まだ身体が疲れているから」
「あぁ」
返事はするものの、煉獄さんは帯を緩め始め、私の首元、胸元に顔を寄せてくる。
「杏寿郎さん」
そっと頬を包み込んでこちらに顔を向けさせた。
「私と__」
「いいのか」
煉獄さんの瞳が私を映す。
私は何度も頷いた。
「私は杏寿郎さんじゃないと嫌です」
「悲しむことになる、君を汚してしまう」
「汚す……?でも、それも杏寿郎さんの事好きですから問題ありません!」
「俺と__」
「結婚してくださいっ、杏寿郎さん」
煉獄さんは黙りこんだあと、少し不機嫌そうに、私と唇を重ねた。
「っん…ダメですか…?」
「ダメではないが……それは俺が言いたいセリフだったのだが」
「はっ!!そうだったんですか!?」
「まるで俺が嫁に行くみたいじゃないか」
「嫁として来てもいいと思いますよ?白無垢姿杏寿郎さん似合うと思い…きょ、杏寿郎さん…?」
煉獄さんは美しい笑顔をしていたが、やる事はとんでもない事だった。
彼は絶対コウノトリが赤ちゃんを連れて来るって信じてる人ではないと思う。
今夜の事でよく分かった。
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古猫丸(プロフ) - yersk0402さん» これはこれはyersk0402様!!いつも胸きゅんコメントありがとうございます〜!!本当に嬉しくて、私もコメントを見た瞬間きゅんきゅんしっぱなしです!(/ω\)いつもコメントありがとうございます!!m(_ _)m (2020年12月1日 0時) (レス) id: a0dec71c2f (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - みゆさん» みゆ様ァァ!!ありがとうございます〜!!。゚(゚´Д`゚)゚。嬉し過ぎてなんと言葉に表せばいいのでしょうか!!とても嬉しくて励みになりっぱなしです!!コメントありがとうございました!!m(_ _)m (2020年11月30日 23時) (レス) id: a0dec71c2f (このIDを非表示/違反報告)
yersk0402(プロフ) - 煉獄さんにもっともっと愛されたーいです!ずっときゅんきゅん、しっ放し!あたしも心臓ばくばくです! (2020年11月30日 22時) (レス) id: 04e5911f66 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - またまた来ましたヾ(*´∀`*)ノ お話が大好きで更新されるのを待ってました(*´ω`*) 今後がますます気になり過ぎて更新されるのを楽しみに待ちたいと思います(つ´∀`)つ (2020年11月30日 22時) (レス) id: ad229492c1 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - みゆさん» わぁぁぁ!!ありがとうございます!。゚(゚´Д`゚)゚。そう言っていただけると、やる気が出ます〜!!これからもよろしくお願いいたしますっ!!m(_ _)mコメントありがとうございますした! (2020年11月26日 3時) (レス) id: dd08b68fc6 (このIDを非表示/違反報告)
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