コソコソ第拾伍話 ページ15
父上とAが抱き合っているのを見た時、世界が崩れ落ちてしまうのではないかと思った。
父上の様子を見て、俺が考えている状況では無いとは思ったが、それでも許せなかった。
千寿郎も誤解だと言い、Aも誤解だと言おうと口を開く。
心の底の何かにヒビが入った気がした。
____なぜ、俺には抱きついて来ないのに、父上には…
「分かっている」
この言葉だけを残して、飛び出した。
情けない、心の狭い自分が情けない。
その後また屋敷に戻れば、焦ったように父上が誤解だと説明する。
その言葉もあまり耳に入らない。
「父上、Aの姿が見当たりませんが」
「あぁ、お前に嫌われたかもって言って外に」
「父上!!」
つい大きな声が出てしまった。
「Aが本当にそう言ったのですか」
「…え、あ、あぁ」
俺は急いでAを探す事にした。
嫌われたかもって、Aが?
期待してもいいのだろうか。
Aは屋敷から少し離れた空き地で冨岡と話していた。
何やら物を受け取り、嬉しそうに抱きしめていた。
何を抱きしめている。
何がそんなに君を、Aを喜ばせている。
冨岡に場所を譲ってもらい、彼女の頭をそっと撫でると、
驚いたようにこちらを見た。
その時に、みえた。
俺の写真だった。
やはり期待してもいいのだろうか。
俺の写真かと問えば、
Aは恥ずかしそうに隠すがバレている為、静かに頷いた。
誤解の事を話し、彼女を見つめた。
____俺と一緒になってはくれないか?
彼女はなんて答えるだろうか。
もう、彼女を離したくない。
口に出そうとしたが、やめた。
彼女はあまりにも綺麗すぎた。
「父親が恋しくなったら、俺を父だと思ってくれ!」
彼女と一緒になったら、二度と離したくなくなる。
そんな黒い感情に彼女を汚す訳にはいかなかった。
彼女は綺麗で、料理が上手くて、誰に対しても優しくて
そう。誰に対しても。
彼女はあまりにも綺麗だから、傷つけたくない。
自分に何かあって心配させ傷つけるのも、どうしようも無い感情で傷つけるのも。
グッと羽織を握り締め、笑った。
「帰ろうか!」
君は本当に綺麗だ。
だから、俺は辛い。
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古猫丸(プロフ) - yersk0402さん» これはこれはyersk0402様!!いつも胸きゅんコメントありがとうございます〜!!本当に嬉しくて、私もコメントを見た瞬間きゅんきゅんしっぱなしです!(/ω\)いつもコメントありがとうございます!!m(_ _)m (2020年12月1日 0時) (レス) id: a0dec71c2f (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - みゆさん» みゆ様ァァ!!ありがとうございます〜!!。゚(゚´Д`゚)゚。嬉し過ぎてなんと言葉に表せばいいのでしょうか!!とても嬉しくて励みになりっぱなしです!!コメントありがとうございました!!m(_ _)m (2020年11月30日 23時) (レス) id: a0dec71c2f (このIDを非表示/違反報告)
yersk0402(プロフ) - 煉獄さんにもっともっと愛されたーいです!ずっときゅんきゅん、しっ放し!あたしも心臓ばくばくです! (2020年11月30日 22時) (レス) id: 04e5911f66 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - またまた来ましたヾ(*´∀`*)ノ お話が大好きで更新されるのを待ってました(*´ω`*) 今後がますます気になり過ぎて更新されるのを楽しみに待ちたいと思います(つ´∀`)つ (2020年11月30日 22時) (レス) id: ad229492c1 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - みゆさん» わぁぁぁ!!ありがとうございます!。゚(゚´Д`゚)゚。そう言っていただけると、やる気が出ます〜!!これからもよろしくお願いいたしますっ!!m(_ _)mコメントありがとうございますした! (2020年11月26日 3時) (レス) id: dd08b68fc6 (このIDを非表示/違反報告)
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