蝶第拾壱話 ページ11
「Aさん」
「はいっ、しのぶちゃん!」
私はにっこり笑ってしのぶちゃんを見つめる。
仕事が一通り終わりしのぶちゃんと休憩中である。
「これは、いったい…」
目をぱちぱちと瞬かせ、驚くしのぶちゃん。
「これはプリンという食べ物でして」
令和で買ってきたものだから味はパーフェクトである。
この間、しのぶちゃんにメイド服を着て欲しいと懇願したところ、燃やされてしまうという悲劇的な事が起こったため、お菓子を差し入れにする事にした。
「カナヲちゃんもアオイちゃんも、蝶屋敷の方々みんな美味しいと言っていたので、しのぶちゃんもきっと気に入るはずです!」
しのぶちゃんはお姉さんのカナエさんを亡くして常に笑顔を心がけるようになった。
漫画では知っていたけど、実際にそういう風になった姿を目にして心が痛くなった事を少し思い出した。カナエさんを助けたかったけど、漫画に詳しい描写がなく特定出来なかった、後は私は鬼殺隊には入れない。神様みたいな人の警告もあるし、以前、煉獄さんに相談したら全力で反対された。
今もしのぶちゃんは毒を___
「これはとても美味しいですね」
「しのぶちゃん、私、しのぶちゃんの怒った顔も好きです」
そう呟くとピタッとプリンを食べるしのぶちゃんの動きが止まった。
「しのぶちゃん」
「……ふふっ、急にどうされたんですか?Aさん」
「なんでもないです!今度はマカロンでも買ってきますね!蝶屋敷でお茶会でもしましょう?」
「まかろん…お茶会…ですか?」
しのぶちゃんのあの時の一瞬悲しい顔を見て、もう過去の話題を振るのはやめようと心に誓った。
***
「今日は蝶屋敷の手伝いをしていただきありがとうございます」
「いえいえ!私、しのぶちゃんのお手伝い大好きですから。いつでもまた呼んでください!」
「ふふっ、そうですねぇ…またすぐ頼みたいところですが、煉獄さんが気の毒なので時々頼みますね」
「杏寿郎さんがですか?」
「えぇ」
しのぶちゃんは綺麗な笑顔で言う。
「見てください。あそこ、煉獄さんが隠れていますよ」
しのぶちゃんの目線の先には確かに垣根から煉獄さんの髪がヒョコっと見える。
煉獄さん可愛すぎる…
私としのぶちゃんは顔を見合わせて笑う。
「早く行ってあげたほうが良さそうです」
「そうですね!では、私はこれで」
しのぶちゃんに頭を下げて手を振れば、しのぶちゃんは優しく振り返してくれた。
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古猫丸(プロフ) - yersk0402さん» これはこれはyersk0402様!!いつも胸きゅんコメントありがとうございます〜!!本当に嬉しくて、私もコメントを見た瞬間きゅんきゅんしっぱなしです!(/ω\)いつもコメントありがとうございます!!m(_ _)m (2020年12月1日 0時) (レス) id: a0dec71c2f (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - みゆさん» みゆ様ァァ!!ありがとうございます〜!!。゚(゚´Д`゚)゚。嬉し過ぎてなんと言葉に表せばいいのでしょうか!!とても嬉しくて励みになりっぱなしです!!コメントありがとうございました!!m(_ _)m (2020年11月30日 23時) (レス) id: a0dec71c2f (このIDを非表示/違反報告)
yersk0402(プロフ) - 煉獄さんにもっともっと愛されたーいです!ずっときゅんきゅん、しっ放し!あたしも心臓ばくばくです! (2020年11月30日 22時) (レス) id: 04e5911f66 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - またまた来ましたヾ(*´∀`*)ノ お話が大好きで更新されるのを待ってました(*´ω`*) 今後がますます気になり過ぎて更新されるのを楽しみに待ちたいと思います(つ´∀`)つ (2020年11月30日 22時) (レス) id: ad229492c1 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - みゆさん» わぁぁぁ!!ありがとうございます!。゚(゚´Д`゚)゚。そう言っていただけると、やる気が出ます〜!!これからもよろしくお願いいたしますっ!!m(_ _)mコメントありがとうございますした! (2020年11月26日 3時) (レス) id: dd08b68fc6 (このIDを非表示/違反報告)
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