第5.9話 そして再開 ページ10
海水は氷水のように冷たく、一気に体温が奪われていく。
心臓麻痺を起さなかったのは、私の体が特殊だったためだろう。
船をめがけて必死に泳いで行った。
あの女の人は、確かに都和子先生だった。
そして幸いな事に、すぐに船底が見えてくる。
潮の流れが助けてくれたようだ。
息もたえだえに船に上がった私は、すぐに女の人の元へ。
女の人を身近で確認しても、都和子先生だ。
最後に見た時の都和子先生は、まだ成人から間もない年だった。
最初に会ったのは少女の時の都和子先生だっただろう。
あの時分かれた時と変わらず、
目を閉じていても美しくて、やさしげな面ざし。
「都和子先生!」
私は、都和子先生を揺さぶりながら叫んだ。しかし反応がない。
胸に耳を当ててみると、生きているという事は分かった。
その時に感じた、波を被ったその体は冷たかった。
「このままじゃ……どんどん体温が下がる……」
焦りながらも、自分の頭で精一杯に考えた。
「お〜い、いきなり真冬の水泳はないぜ」
「水は苦手なのに」
「もっけ、スネリ! 都和子先生が……!」
私の悲鳴に、二人共都和子先生の元まで走ってきた。
「この人は!」
「何故ここに!」
二人の驚きようは尋常じゃなかった。
それでも次の瞬間には、スネリは都和子先生の額に肉球を押しあてた。
「A、呪符を!」
もっけの言葉でようやく私は我に返り、印を結んだ。
「天兵きたりて、われを助け、符神をつくらせよ。
万鬼伏蔵せよ。除寒冷災符、急急如律令」
文字があらわれた呪符に気をおくると、四枚の和紙は、
都和子先生、もっけ、スネリ、私の胸に張り付いて消えた。
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作者名:フェイル | 作成日時:2010年12月8日 21時