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第5.34話 世界が震え、2つにわかれる? ページ35

しかし、タイ兄が張った結界の中は
見えないドームの中に居るように静かだった。


「どうなるの……?」

「まるで、この世の終わりの様だな」


もっけは言ってから、
スネリとはっとしたように顔を見合わせた。


「「世界が震え、二つにわかれる?」」


言い伝えを思い出したからだ。
それは、第3の目を持つ者、すなわち伝説の子の言い伝えだった。


「このままじゃいけないわ」


スネリは霞む目で、私とタイ兄を見た。
二人は真っ赤な悠久の玉を挟み、お互いの手を添えて術を使っていた。

タイ兄は人間界を滅ぼす事を願い、
私は妖界への道を作り、四人を返す事だけを考えている。


「妖界も人間界もなくなるわ……」

「おい、スネリ。まだ妖力は残っているか?」


もっけはよろよろと立ちあがった。
しかし、立っているのは何分ももたない事が分かっている。


「ほんの少し、かろうじて飛ばせるわ」


スネリは、もっけの考えている事を察すると
ゆっくりと身を起こした。

四本の足は震え、今にも倒れそうだった。


「よし、二人で最後の力を振り絞って、Aに届けよう」


スネリが立ちあがると、もっけは自分の羽を一本抜き取った。
スネリも自分の白い毛を抜き、もっけの羽の根元へ結わえた。


「念を飛ばすぞ!」


合図すると、スネリはその羽に前足で触れ、目を閉じた。
もっけも気を入れると、くちばしでくわえていた羽を一気に離した。

羽は一瞬の内に光る矢となり、


シュ──────。


浮いている悠久の玉の、その下の地へ落ちた。
一心不乱に術を唱えていた私の目にも、その光る矢は飛び込んできた。


「A……、A」


そして、その矢が、スネリの声で囁き始めた。
私は術を唱えながらも、矢を見つめた。


「お願い、周りを見て。結界の外よ」


私は痺れる頭をまわして、結界が張られた外を見た。

荒れ狂う景色を眺めて、
ようやく大変な事になっている事に気が付いた。

第5.35話 疲れてしまった……→←第5.33話 悠久の玉 〜果て〜


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作者名:フェイル | 作成日時:2010年12月8日 21時

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