妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～part５ (ページ4)

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第５.３話　坤(西南西)の方角ページ4

「西南だ。坤(ひつじさる)の方角を指している」

「そこへ行かなくてはならないようね」

「……これから?」

今は夜の十時過ぎ。
あと二時間もしないうちに元日になる。

そんな時間から、厚着をして、坤の方角へ向かうという。
嫌だと言う訳にもいかないが、すぐに飛び立った。

～･～･～

そして、飛び立ってからどれくらいたったのか。

「静かな所ね」

降り立った場所は海岸だった。
スネリが呟いた通り、小さな船着き場に私達は居た。

北国の寒さは感じられない。ずいぶん南下してきたんだ。

「見て」

私は木箱の玉を、二人に差し出した。
玉から発する光の矢が、ここへ来て変化している。

四つの玉から放出された光は、まとまった一筋の光だった。

しかし今はその光は分かれ、四本の筋となり、
それぞれ海の向こう、別の方向へ指していた。

「行こう」

再びもっけの背中に乗って、上昇した。

最初は、『金』の玉の光が指し示す方向へ向かう。
その光は西を向いていた。

もっけがその西に向かって飛ぶと、
すぐに眼下に、小さな島が見えた。

そして、島の真上に来た時に、突然、
『金』の玉が島に向かって、光の矢を垂直に下ろした。

「降りてみよう」

すぐに急降下した。
そこは、島というには小さすぎて、海底から突き出た大岩のようだった。