妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～part５ (ページ3)

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第５.２話　寝入り端･四つの玉が動きだす時ページ3

その日の夜。寝入り端の時。
私は気配を感じて起き上った。

カーテン越しに、外灯を反射した雪明りが入ってくる。

コトコト……。

かすかな音が聞こえた。
超聴力を持つはずのもっけは、クッションに埋もれて高いびき。

コトコト……。

物音は、作り付けの棚から聞こえてくる。
私は忍び足で近付き、あっと声をあげた。

棚には木箱がある。

私が赤ん坊の時、おくるみの中に入っていた木箱。

巻物が入っていたが、今はそれと共に
『木』『火』『金』『水』の四つの玉も入っている。

その木箱が、小さく振動している。
私がおそるおそる木箱に手を伸ばすと、わっ、と二度目の声をあげた。

木箱を開けた途端、ホタルのように光るものが
ほわほわとうごめいていた。

「A、どうしたの!」

スネリともっけも起きだすと、驚いてその光景を眺めた。
ホタルに見えたのは四つの玉。

それらが光を発しながら、生き物の様にもそもそ動いている。

そのうち、四つの玉は木箱から飛び出した。

私達が呆然としている中、四つの玉は宙を移動して
こつんとガラス戸にあたった。

私がクレッセント錠をはずし、ゆっくりガラス戸を開けると……

玉は１つずつベランダに躍り出た。

四つの玉はくるくる回りながら
やがて一所にまとまり、ベランダの手すりに降り立った。

そして、雪の止んだ星空に向かって、一筋の光線を描いた。