第5.14話 戦う為の気力 ページ15
「……タイ兄……?」
「!!」
その時、タイの顔が歪んだ。
私が幼い頃に呼んでいた名前……。
記憶の中の私は彼を、『タイにい』と呼んでいた。
「第3の目に気づいた貴方達のお父さんは、
陰陽師家に伝わっていた言葉を思い出したの」
「それは、私達妖界の世界でも知られていました。
『第3の目をうなじにもつ者があらわれたとき、世界が震える』と」
「そう。けれど、言い伝えはそれだけではなかったのよ。もう一つあったの。
『第3の目を手のひらにもつ者があらわれたとき、世界は二つに分かれる』」
私は何も身じろぎせずに、地面を見て……
俯いて、胸の苦しさを感じていた。
「それで、貴方達のお父さんは……命をかけて、第3の目を封印したの。
でも、お父さんもお母さんも貴方達が生まれてきた事を、
とても喜んでいた。最後まで」
都和子先生がそう言った時。
シュン!
突然、空気の摩擦音がした。
上空にいたカザンが降りて来るや、
激しく都和子先生を蹴飛ばしたのだ。
バシ!
それで、ようやく我に返った私が気付いたのは、
都和子先生が離れた所で倒れる時だった。
「都和子先生!」
私が駆け寄ると、都和子先生の目は閉じていた。
気絶してしまったようだ。
「どうして……こんな事を……」
『余計な事をべらべらと喋るから黙らせただけだ』
そして彼の目は、
私に「兄などと呼ぶな」とでも言っているようだった。
先程まで戦う覚悟は出来ていたはずなのに、
私は彼が兄だと知った途端、もう戦う気力など無くなってしまった。
「酷い……都和子先生は、私達の母さんの妹なのよ」
『だから何だ。俺には関係ない』
私は呆然と彼を見上げた。
『俺は、ただ悠久の玉を手に入れたいだけ。そのためにお前を利用した』
タイはカザンから降りると、私に一歩一歩近づく。
スネリともっけが、私を守るように前に出ると、身構えた。
第5.15話 激闘。右腕上腕部に負った傷→←第5.13話 伝説の子は2人
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作者名:フェイル | 作成日時:2010年12月8日 21時