妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～part５ (ページ2)

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第５.１話　特訓中の不思議な話ページ2

大晦日の日でも、私は勉強をする。

もっけ……先生からは、学校で勉強をする事。
スネリ先生からは、妖怪が使える術など。

まず、もっけ……先生からいろはを教わった後、
スネリ先生からの術を教えてくれる。

二人の話によると、私の頭脳はずば抜けて良いという。

だから今日は、もっけ……先生の授業は無かった。
つまり、スネリ先生の授業だけやる、という事だ。

スネリ先生からは、新しい術を教えてくれた。

自らの白い毛を抜き、そこへ思いを込めて飛ばす方法。
遠くにいる相手に意思疎通をはかれるという。

スネリは説明を終えると、自分の首下の白い毛を抜き取り
念を込めて飛ばした。私の周りを、白い毛が舞っている。

「A、聞こえる?」

スネリの声が聞こえた。
私が驚いてスネリを見たが、スネリは口を開いていない。

「これよ、A」

スネリの白い毛が、タンポポの綿毛のように舞いながら
スネリの声を発していた。

「すごい、これで会話が出来たら、離れていても話が出来るんだ。携帯みたい!」

「ただし、とても妖力を消耗するの。五分が限界だわ」

そう言って、
スネリは畳にへたり込んだ。

「ちなみに、その術はおいらも使えるんだぜ。この羽で」

見ていたもっけが、得意そうに言った。

「凄いなぁ、二人共」

感心する私に、二人は顔を見合わせると、クスリと笑った。

「Aはまだ、自分の潜在能力に気づいてないみたいだな。
切羽詰まった瞬間に、妖力が増幅すると言う事も」

もっけがにやりと笑うと、スネリも頷いた。
それから真剣な眼差しで、こう言った。

「駄目かと思った時でも、諦めないで。
内なる言葉に耳を澄ませてみるのよ。自分を信じて」

「(……『内なる言葉に耳を澄ませて』……)」

不思議な言葉は、
スネリの真剣な眼差しと一緒に、私の心に刻み込まれた。