妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～part５ (ページ26)

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第５.２５話　悪しき妖怪ページ26

「そういえば一つ、気になった事があって……」

「?」

「私が見た様子では、Aはタイの事を知っているようでした」

「おいらにも……そう見えた。思い出したような言い方だったけどな」

「そうなの……。それは私にも分からないわ」

「ところで、伝説の子が二人という事なんだけど」

「……えぇ」

「竜堂家に伝わった木箱が二つという事は、
伝説の子が二人であると予言されていたという事なんだよな」

もっけには、どうしてもその事がひっかかった。

「もしその事を妖界で知っている者が居て、陰謀が働いているとしたら?」

スネリは瞳を光らせた。

ある予感に、洞窟の中の温まった空気の温度が
一瞬下がったように感じられた。

都和子先生も青ざめる。

「私は幼い頃の妖界の事しか知らないけれど、悪しき妖怪達が
率いる闇の組織があった事を、父に聞いたことがあるわ。でもそれは昔の話」

「闇の組織の話は、私達も聞いたことがあります。
でも、妖界が封印された後では目立った動きはありませんでした。
陰謀はその組織によるものであると?」

そう言ったスネリに、都和子先生は巻物の話をした。

昔、竜堂家の祖先が妖界への入り口を封印した時に、
悪しき妖怪の組織から奪い取ったものが、その巻物だった事を。

三人は顔を見合わせて黙りこんだ。

考えていることは同じで。

それは、悪の組織が巻物の内容を知っている……
そのため、タイが誘拐されたのではないかと言う事だ。

その時。

ズド────ン

地を揺るがす大きな音が聞こえた。