#7 ケイヤク ページ8
「ははっ、本当にいいリアクションだ!!
こっちまで楽しくなってくるよ!!」
「……っ、高っ……!!!!
って、違うんですオリハラさん!!!
降ろして下さい!!!
私は、マフラーを買いに行かないと……!!!」
「………マフラー?」
「は、はい!!!
なので、降ろして下さい!!!
一旦静雄さんの所に戻らないと……」
「シズちゃん?なんで?」
オリハラさんは、ひとつのビルの屋上に降りる。
「ま、ここで話すのもなんだし、どこかカフェにでも寄ろうか」
◇◇◇
「……お恥ずかしい話、幼なじみの家に居候する予定なのですが、幼なじみが見つけられないんです」
カフェに入り、オリハラさんと向かい合って話す。
「へー、名前は?」
「ええと……正臣……紀田、正臣です」
「………紀田くん?」
オリハラさんは訝しげな声を上げる。
「はい!!!ご存知なんですか!!!?」
藁にもすがる思いでオリハラさんに尋ねる。
「正臣くんの家に居候しにいくのですが、連絡先も分からず、家も分からないので………
連絡先を、ご存知ですか!!!?
教えてもらいたいんですけど……!!!」
「Aちゃんは、紀田くんの家に行くの?」
「?はい。」
「それは、どうして?」
「家が無くなってしまったんです。それで、正臣くんに頼ろうと。」
「それは、紀田くんの家じゃないとダメなの?」
「?いえ、そう言う訳では……」
「それなら、俺が家賃を払ってあげる。」
「…えっ」
「俺のマンション、隣の部屋が空き部屋なんだ。
生憎、俺は金には困ってないし、
Aちゃんは俺の隣部屋に住んだらいいじゃない」
「で、でも……」
「それに、紀田くんが君を歓迎するとは思わないからねぇ」
「え…」
「いくら幼なじみだからって、紀田くんだって面倒事は避けたいはずだよ?
それに比べて、この案は誰にも迷惑はかからない。
これ、なかなかいい方法でしょ?」
「……あ…」
そっか。当たり前だ。
私は、歓迎される訳ない。
それなら、オリハラさんの案を呑んだほうが……
ちらりとオリハラさんを見ると、やっぱり笑顔だ。
「で、でも……私も、何もしないと言う訳には………!!!」
「それじゃあ、うちの家事全般をお願いしたいね。
合鍵は渡しておくよ。
バイト料が、君の家賃だ。」
「…それで、私はお役に立てますか?」
「それは、肯定、って事でいいのかな?」
「はい。これから、お願いします!!!」
「うん、いい返事だ。」
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みゃあ(プロフ) - 臨也さんがいいですっっ! (2015年3月29日 15時) (レス) id: 731c694af3 (このIDを非表示/違反報告)
たかと - 紀田君でお願いします〜〜 (2015年3月25日 1時) (レス) id: 05d7bebd35 (このIDを非表示/違反報告)
SuZu - 紀田でおねがいシャス! (2015年3月19日 21時) (レス) id: cc6b211aa2 (このIDを非表示/違反報告)
アスナ(プロフ) - シズちゃんでお願いします!これからも頑張ってくださいね! (2015年3月18日 22時) (レス) id: d24474e93e (このIDを非表示/違反報告)
鐚璃蒭 - はじめまして!鐚璃蒭といいます。とても面白いです!臨也さんでお願いします (2015年3月18日 18時) (レス) id: 440bf90897 (このIDを非表示/違反報告)
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