【drrr!!】この街は、田舎出身の私に優しくない。

#27 クロヌマ ページ29

「………うーん、どうすれば……」

私は、【TO羅丸】から追われる理由を考えていた。

いつも通る道を歩きながら、家への帰路に付いている。


「あ、木谷 Aさんですよね？

こんにちは」


後ろから突然声を掛けられる。

見た事がない、声の高い青年。


「あ、俺、黒沼青葉って言います

これからよろしくお願いしますね」

にこやかに手を差し出される。

「え、あ、よ、よろしく………お願いします………?」

出された手を、握り返す。

優しそうだし、いい人、なのかな？

でも………どうして、私の名前を知って………

その時、臨也さんの声が、頭にこだました。

『そうだ、話すのを忘れてたね。

ブルースクウェアのリーダーの事。

高校生さ。

そして、ブルースクウェアは情報網がすごいらしいね。

リーダーは………



黒沼、青葉。』



目の前の人も、黒沼、青葉……

そっか、この人も……カラーギャング………

「………ブルー……スクウェア……」

「あれ、知ってるんですか。

それじゃあ、もう説明なんていらないですね。


一緒に、来てもらえます？」


笑った顔の裏。

一瞬だけ、ノイズが掛かったように見えた。

『拒否権などない』と、押し潰されるような、孤独感、圧力。

セーラーのリボンを握りしめる。


私は、改めて痛感した。


【この世界】に、足を踏み入れてしまったのだと。


もう、後戻り出来ないのだと。

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