【drrr!!】この街は、田舎出身の私に優しくない。

#20 ヨロシク ページ22

「おーい？大丈夫か？」

「……あ、なたは、【TO羅丸】の……」

すると、男の人……いや、六条さんは、困ったように笑う。


「……ああ、【TO羅丸】の総長、六条千景だ。

女の子には、手は出さないけどな。」


「………」

「ごめん、怖いか？

……怖い、よな。」

ぽす、と私の頭に手を乗せ、そのまま後ろを向く、六条さん。

助けてもらったんだ。


この人は、悪い人じゃない。


気が付けば私は、六条さんのジャケットの裾を掴んでいた。


「ろ、六条さん!!!!


私っ、木谷、Aです!!!

また、お世話になる時もあると思います!!!

これからもっ、よろしくお願いします!!!」


言い切った。なんだか、大きな声を出してしまって、六条さんもびっくりしている。


「………A、か。


いい名前だな。よろしく。」


屈託のない笑みを浮かべる六条さんに、私も笑い返す。


大丈夫。悪い人じゃない。

カラーギャングも、悪い人ばっかりじゃない。

その事を、胸に留めた。

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