【drrr!!】この街は、田舎出身の私に優しくない。

#18 ホウフク ページ20

今日も、街を歩く。

いつも思うけど、よくこんなセーラー服で何も思われないなぁ。

学校をサボった、とか不登校、とか思われないのかな。

どっちにしろ、セーラー服以外の服を持っていないし、学生証を見せるのが手っ取り早いのかな。


ぼんやりと昨日言われた事を考えながら、今日こそは食料を調達しないと、と意気込んだ。


はずだった。



「おっと」



「わ…っ…」

曲がり角で、突然現れた人にぶつかる。

そのまま、ストン、と尻もちをついてしまう。

「ご、ごめんなさ……」

帽子に、黒いジャケット。

高身長の青年は、驚いた顔をして私を見下ろしていた。

「あ、ワリィ!!

どっか怪我して………って、怪我ばっかりじゃねーか!!!?」

そのまま、私の目線までしゃがんでくれる。

しまった。絆創膏まみれの顔や身体だ。

「あ、いえ……その、あ、貴方のせいじゃないので………」

「女の子同士で、喧嘩でもしたのか？」

「あ、いえ……喧嘩、というか……わ、私は何も……」

その男の人の目が、突然鋭くなる。


「抗争にでも、巻き込まれたのか？」


「………抗、争……」

昨日の話を思い出す。

「いっ、いえ、巻き込まれてないです」

慌てて、礼を言おうと立ち上がる。


『『『あ』』』


近くから聞こえた、3人の、聞いたことのある声。

「あ？」

男の人も、訝しげに3人を睨む。

「………っ…」

黄色いバンダナ。この人達…

「…き、のうの……」

恐怖が蘇る。嫌だ。怖い。

男の人の腕を引く。

「ん？どうした？」

「お、お願いします!!!逃げて下さい!!

あ、あの人たち、危ない人で……」


『テメェ!!!昨日の女だな!!!』


3人の内の1人が、思いっきり怒鳴る。

「………っ……!!!」

足がすくむ。視界がにじむ。怖い。怖い。

でも、誰も巻き込んじゃいけない。

だから、男の人だけでも逃げてもらわないと。

そう、決意した時だった。

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