【完結】7日経ったら忘れていいですか _3_【鬼滅の刃】

佰弐 ページ9

2日目の早朝









誰も起きていない村からこっそり外に抜け出した








人付き合いなんて放り出して愈史郎の元へ行こうと思ったから





足を動かして着替えずに向かった






確か……………ここの路地だったよね、？








｢…………誰だ！｣







『………………愈史郎』







｢A………………？なんでこんな早くに………





なんかあったのか、？｣







『………いや？ちょっと面倒くさいなって思って抜け出しちゃった』







｢はぁ、？とりあえず上がれ




珠世様はさっき出かけた｣





『へぇ、そんなんだ』







愈史郎なら、私の気持ちわかってくれるよね？








『愈史郎、私ね



全部忘れてやり直したいの』






｢何言ってんだ、ようやく仲良くなれたんだと話していたばかりだろう…………｣








『そんなの知らない、私は別に友達が欲しいなんて言ってない




前の私のやりたい事をなんで私がしなきゃいけないの？




どうして人に好かれるために笑顔なんて作らなきゃいけないの？




どうして私は前のAのコピーのように動かなきゃいけないの？



なんで私は知らない人達と一緒に居なきゃいけないの？





なんで皆の理想通りの私で居なきゃいけないの？』








どうして私は普通じゃないの？








｢仕方な『仕方なくなんてないよ』｣






『全然仕方なくなんてない、！




だって私全然普通じゃないもん……………！




記憶はないし、7日で死んじゃう………

恋すら叶わない

友達の顔も覚えられない

ずっとずっと前の私に従うように生きてくだけ

全然普通じゃないじゃん…………、



仕方なくなんてないんだよ……………』




｢A、落ち着け｣




どうしてこんなにも苦しいの………




『この不安を人にぶつけることも、この気持ちを隠すことも

伝えることも

永遠なんて言葉も




私には何も無いの…………！



遊郭に居た頃もそう、何をするにも制限があって女将さんの言うことを聞かなきゃいけない

男の人に毎夜毎夜遊ばれて………殺されかけて



誰かに悩みを言うにも言えなくて………………



笑顔を作っておけば客は不機嫌にならなかった、謝れば、言うことを聞けば痛い事なんてなかった



なのにどうして！？

なんでこんなにも胸が痛いの、なんでこんなにも不安で苦しまなきゃいけないの………、






全部全部面倒くさいよ…………全部全部全部全部…………忘れて消えたいよ…………っ』

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