【完結】7日経ったら忘れていいですか _3_【鬼滅の刃】

佰拾壱 ページ19

｢貴様、今何て言った？｣








『だから……………！



勘違いした挙句嘘を言いまくってる愛奈と！

責められ続けて否定することが出来なかった私のせいでしょう、って言ってるの…！！』






｢ならば何故、あの日肯定した


嘘をついているという証拠なんじゃないのか…？

虚言を口に出すほど余裕が無いとは……可哀想に｣





『それ、愛奈に言いなよ



それに私は否定が出来ない状況だっただけで肯定なんてしていない』







もう、言っていいのかな


全部言っていいのかな





｢じゃあ何故！｣





『…………記憶が無かったからだよっ！



今までずっと隠してた、7日で記憶が消える病気のこと

あの事故の日は7日目の夜



気を失った私が次に目を開けた時にはもう日付が変わって1日目になってたの


毎回1日目に読んでた日記も手元になくて………12歳までの記憶しかない状況で


皆に人殺しだなんだ言われて……………私にはそれが本当だと思うしか道がなかったの………っ

否定も肯定も出来ない状態で困惑していたら



勝手に呆れられて、軽蔑の目を向けられて








暴力奮われて傷付けられて、辛かったのはこっちだよ……………っ！』





何年も溜め込んでいた言葉が涙と共に沢山溢れ出てくる





｢ならどうしてその事実をAさんが知っているんです？｣





『宇髄と、…………っその場を見ていた隊士が答えてくれた



私はずっと前の7日間に起きたその事を日記で知らされた


だから隊士の顔も今は覚えてない





けど、隊士は泣きながら私に感謝と謝罪と状況を話してくれた



宇髄も、私が日記に書いていなかっただけで


どんな7日間も一緒に居てくれてた』





｢本当ですか？宇髄さん｣





｢おう、ド派手に事実だ



どんな7日間もAは地味に泣いていた


皆に嫌われる苦しさ、忘れたくない苦しさ、消えたくない、死にたくないもどかしさ




前の自分が仲良くなった人達は
今の私を見てくれないって自分で気付いて

ド派手に離れようとしてたこともあった



信じて貰えない痛さ信じて貰えた暖かさ





1度覚えては全部忘れて、また覚えるの地味な繰り返し



俺も何度忘れられたことか｣








何も言わなくなった皆







『…………ね、街の人も困ってるよ



もう今日は終わりにしよう



今はもう皆の顔も見たくない…』





私が皆に背を向けると愈史郎と珠世さんが香に巻かれてやってきた


鬼だとバレないようにする術だと思う

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