【完結】7日経ったら忘れていいですか _2_【鬼滅の刃】

伍拾伍 ページ9

｢お姉ちゃん、落ち着いた？｣







泣きすぎと過呼吸で体力底尽きた


『……………………………うん』







｢A、水持ってきたけど｣






『飲む』






宇髄から水を貰おうと思ったけど手に力が入んない







｢………溜め込みすぎだ馬鹿



ここ来て｣




宇髄が膝の上を叩く



宇髄の膝の上に横に座ると姫抱きするように私の肩を持って少し傾けると



冷たいコップが私の唇に当たり、喉を水が通る






あぁ、飲ませてくれてるんだ






｢赤子か｣



飲み終わるとニヤッとからかってくる宇髄






『…………………散歩行きたい』






｢行くか｣





宇髄が私の羽織を取ってくれる






｢｢お散歩いきたーい｣｣



｢たーい｣




｢デートだからダメだ、ガキんちょは大人しくクソして寝とけ｣




｢僕は行っていいよね｣



｢時透もダメだ


勿論甘露寺もな｣




｢ぇえっ！｣





でーと、ねぇ………………





ただの散歩だよ、普通に皆で行った方がいいと思うんだけどなぁ








｢よしA、行くぞ｣





『えっ、ちょっと！ねぇ！？』





私を抱えて走り出す宇髄




『なんでっ！？散歩じゃないの！？』




｢あいつらが来たら嫌だからな、少し遠くまで行くぞA｣






もう家見えないし…………！！







『速っwwwwww宇髄www！！！




涼しい…………っ！』



宇髄よりも高い目線




街の灯りもいつもより近い









街の中に入ると思ったら街の東の山に登り始める宇髄






数分して開けた所に着くと、宇髄が私を下ろしてくれた







｢ほらA、もう少し前行って見てみろ｣





そこに広がっていたのは綺麗な夜景



星空と街の灯りが重なってとても綺麗で



湖に映る月が触れてみたくなるほど美しく光る








『………………綺麗…っ』






｢だろ？お前に見せたかったんだよ



ド派手に綺麗だろ！！！｣





『うん…っ！』








嫌なことが頭から消え去るくらいに綺麗な月と綺麗な街






それを飲み込むほど深い黒の空








｢A、消えたくないよな





忘れたくないよな





俺もいつかこの7日間だけのAを忘れんのかって思うとさ





めちゃくちゃ苦しいわ



忘れたくないのに、新しい記憶が邪魔して


つーか、お前の記憶が消えるって知るまでのお前は全く覚えてねぇわ





AはAだったから





今もそう、俺からしたらAは何人目のお前でも派手なAなんだよ｣

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