【完結】7日経ったら忘れていいですか _2_【鬼滅の刃】

陸拾壱 ページ16

『…………………………………』







｢人って最大限まで幸せを感じると動かなくなるんだね｣







『……………………………』






｢あ、お姉ちゃん泣いた｣









『…………………っぅぁっ』









身体が震えて涙が止まらない





どうしてこんなにも幸せをくれるんだろう





私は忘れてしまうのに


私はもうすぐ消えるのに



その事実を知ればこの子達はどんな顔をするんだろう






今日を覚えてなかったら酷く悲しむかな







あぁっ…………また消えたく無くなった




大好きだよ皆



大好きだよ子供達









『ありっ、が…………とぅ…』








幸せを教えてくれてありがとう



愛をくれてありがとう





暖かい涙を教えてくれてありがとう








お姉ちゃん泣きすぎ！と子供達が突っ込んでくる






グスっと鼻を鳴らして涙を拭う







『ありがとうね…………、』







｢えんえん、いたい？｣






………痛くて泣いてるの？ってこと？






『んーん、幸せで泣いてるの



暖かくて幸せなの



チビ助…………ママの元に帰ろっか』






｢…あぃ！｣



隣の部屋に行くと


1度皆がくれたものを外し


皆が取ってきた花を花瓶に飾り、いくつかの小さいお花を髪と一緒に編んで上でまとめる




面は付けずに首に後ろ向きにぶら下げる





隊服に着替え、羽織を羽織って



腰に刀と短刀を刺し、足の付け根に付けたベルトに銃を刺す







前髪をササッと直して、皆がくれたものを付ける


変かな、？








部屋を出て、子供達の準備に当たる





『あら、もう服きてる



偉いね』





｢｢｢うんっ！｣｣｣








無一郎くんや蜜璃ちゃん、宇髄も準備が出来ていた







無一郎くんは私と同じ花の冠



蜜璃ちゃんは私と同じ腕輪



宇髄は私と同じ指輪をしていた







『それじゃあ行こうか』







子供達と手を繋いで歩く




もうすぐさよならなんだ……………




村は意外と近く、話しながら歩いてるうちにもう見えてきていた







｢ママっ…！！！！！！｣







母親を見つけると私の手からするりと抜けて行く子供達







あぁ、もう会えなくなるんだな







｢………………うちの子は…、？｣



｢私の子供はどこ！？何で居ないのよっ……｣






…………え、？この人達は子供達の首を見たんじゃないの？





｢どうして………あの子達はもう目を開けてくれないの…………｣









あぁ、そうか………

陸拾弐→←陸拾

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す