19音目 ページ22
パキッ
パキッ
私は必死に降ってくる氷の粒を拾い上げた
1粒1粒は小指くらいのサイズだけど
いっぱい集めると暖かくて私を氷から守ってくれていた
"_______"
音……?
いや、
声……?
"A______"
私の手のひらにある沢山の粒が私の名前を呼んだ
これは……誰の声?
"氷に呑まれないで"
暖かくて懐かしいのに……靄がかかったように思い出せない
ゴンッ
パキパキパキパキっ
真後ろに落ちた足くらいの大きさの大きな氷の塊に驚き、粒を落としてしまった
『この氷塊も……暖かい……』
"A、氷なんて地味なもんに_____"
"お前は俺の__________?"
"___たら____ねぇ"
聞き覚えのある声
誰の声だっけ……
私はその氷塊を抱きしめた
"俺は神だ"
"俺が来たから____"
"_____、大丈夫だっての"
"A____ろ?"
"_______決めろ"
"俺が___やる"
"A、俺がお前に暖かさを教えてやる"
沢山のあの人との記憶が頭をグルグル回る
あぁっ……
なんで忘れてたのかな……
『また、私を助けてくれた……っ…!
宇髄さんっ……』
"ド派手にぶち壊せ!!!!"
私は涙を拭い、叫びながら檻に手をかけた
冷たくて痛かった
拭った涙がまた溢れた
けど大丈夫
私はあの暖かさを
人の体温を沢山知っている
優しさを、あの胸の痛さも知っている
幸せの熱さも
全部知っている
名前を貰う喜びも
負った傷の痛さも全部覚えている
バキバキバキッ……!
『私はっ、生きていたいっ……………………!!』
氷の檻にヒビが入っていく
『しのぶさんに抱きしめられたからっ、
生きていても良いって言われたからっ』
バキッ
『善逸とたくさんの音を聞きに行くって……っ
約束したからっ!!』
バキッ
『不死川さんとカブトムシとりの約束もっ……!!!』
バキッ
『義勇さんと街に行く約束も!!!!
煉獄さんとあっつい焼き芋を食べる約束もっ……
沢山っ……』
バキッ
『沢山っ、宇髄さんと……っ
強くなって鬼を倒すって
皆で一緒に生きていくって…………っ』
バキバキバキッ
『約束したんだからっ……………………!!』
バキッガラガラガラガラッ
氷の檻が崩れて、溶けていく
暖かい
優しい音が響く
あぁ…………………………、
『宇髄さんだぁ……………っ』
1254人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鬼の子(プロフ) - アヤカさん» おおっ!そう言って頂けると嬉しいです……!!善逸も意外と好きなんでいいキャラ感をバンバン出していきたいっ……!!更新頑張ります! (2020年1月26日 22時) (レス) id: 764cc1638e (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - 宇髄さん推しなんで結構見入ってしまいました笑神作品を見つけました!宇髄さんを始め皆優しい…ひえ、善逸優しい((更新頑張って下さい! (2020年1月26日 18時) (レス) id: b421c0e73a (このIDを非表示/違反報告)
鬼の子(プロフ) - 午前の紅茶さん» ですよねwww!!ありがとうございますー!! (2020年1月13日 2時) (レス) id: 764cc1638e (このIDを非表示/違反報告)
午前の紅茶 - 鬼の子さん» 朝行ったのに売り切れてて...w ところで、最新話も相変わらず面白いです! 次の更新も待ってます! (2020年1月12日 21時) (レス) id: 650ec7b69f (このIDを非表示/違反報告)
鬼の子(プロフ) - 夏蜜柑さん» 書いてましたよね……!!ローソンにもちゃんとお電話したのになぁ……って感じです……w (2020年1月9日 18時) (レス) id: 764cc1638e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ