世界一綺麗な音【宇髄天元】

44音目 ページ48

「………………」


『むし、つの……つよいのかっこいい！』


「……わかってんじゃねェかァ」





Aが不死川とカブトムシで遊んでんのムカつく




まぁ、あの不死川がちいせぇAとどう遊ぶのか気になるし放っておくか



『これ、いたいいたいしたの？』



Aが不死川の顔の傷を触る



「否……別に……」




『大丈夫！いたいいたいの、とんでいけー！

もういたくないね、いたくない！』







「……………………はぁぁぁぁぁぁあっ


痛ェ……」






「おいスケベ、どさくさに紛れて抱いてんじゃねぇよ！」



Aに倒れるように抱きついた不死川の頭を叩く



「……なんつーとこから出てきてんだァ！！！！

いつから居たァ……？？」



「天井で初めからずっと見てたぜ？？？

お前が戸開けて、Aの事見て戸閉めて


また開いたと思ったらカブトムシやら玩具やら沢山持ってきて……あれはいい光景だったわwww」



「本当に最初からじゃねェかよ……っ！！」





ガンッ



不死川がいきなり手を離したせいでAは頭から床にぶつかった




『…………っ』



「……A！！！！！！」


「すまねェ……！大丈夫か！？」




『…………ふへへ、だいじょーぶ！』



頭を抑えてへにゃっと笑うA




「「天使かよ」」





ーーーーーー





『…………おばさんに会いたいよぉ__っ』




さっきまでめちゃくちゃ遊んでたのにキョロキョロして蹲るA





『捨てないで……っ、置いてかないでよぉっ……』





こいつは小さい頃から……こんなんだったのか



誰かに売られる恐怖、誰かに捨てられる、置いてかれる恐怖を常に感じて




こんな小さい手に、こんな小さい背中に……


なんつーもん背負わせてんだよ








「A、大丈夫だ


俺はおばさんに頼まれてんだよ、おばさんがお仕事してる間Aを見ててくれって


不死川だって今文飛ばしてるだけだしよ


ここの奴らは派手にお前のこと大好きだからな


捨てたり痛い地味なことなんかしねーから


おばさんが戻ってくるまでお前がしたいこと全部しようぜ？」





『…………っうわぁぁぁんっ


ほんとうは、ご主人様もお遊びもきらいっ


痛いのもきもちいいのも苦しいのも熱いのも……

寒いのも暗いのもきらい……なのっ……ｸﾞｽｯ』





大きな泣き声と共にAの身体が大きくなっていく






『ごめんなさい……っ、私ね_________』

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