148日目 ページ19
「見えないんすか!?」
「何がだよ」
「Aっすよ!!!!?」
「はぁ?お前頭イカれてんじゃねぇの?
現実見とけ、ど阿呆」
『居るのにねー』
天元の周りをぐるぐるしてると、泣きそうな悔しい匂いが鼻に入ってきた
『…………天元?』
どうしたの?
「……おい全員休憩だ
30分したらまた派手に始めるぞ!」
天元が隊士達とは反対の方向に歩いていく
『ごめんね烈花、少し行ってくる』
「うん……」
烈花が悲しそうにこっちを見てから、他の隊士達に紛れて消えてしまった
私は直ぐに天元が進んだ方向に走って行った
『天元』
着いたのは色んな色の花畑の中にあるお墓だった
『私のお墓?これ……
誰が作ってくれたの?
私の刀持ってきてくれたの?天元
ねぇ……天元、どうして泣きそうな顔をするの??
どうして無視するの?
天元……………………寂しいよ……っ』
「A……」
ハッとして天元を見ると天元が手を置くのは私じゃなくて墓石で
静かに、私の名前を何度も呼んだ
「お前と過ごした時間が嘘のようで怖ぇんだ
こんな呆気なく消えるなんて知らなかったしな……
A、なんで先に行っちまうんだよ……
今どこにいんだよ………………っA」
天元の泣きそうな声と匂いに釣られて、私の目から涙が溢れた
『私は居るよ
ここにいるよ……傍に居るよっ……!
貴方の傍に…………っ』
「…………A」
立ち上がって私の方を向く天元
見えてる?聞こえてる?
『天元……私は居るよ
ここに居るよ
ずーーーっと傍に居て、天元の事……見てるよ』
「…………そこに居んのか?」
私の方に手を伸ばす天元
『うん、居るよ…………』
私は優しく天元を抱きしめた
「A……っなんで俺には見えねぇんだよ
なんで烈花には見えんだよ……」
『烈花に、目
貸してもらったら?』
「何?なんか言ったのか?」
ん………………
届けー届けー
『烈花に目を貸してもらったら!?』
「………………っ聞こえねぇよ
なんつってんだ……?
A……」
『___っ』
なんで届かないの
聞こえないの
『天元っ………………気づいてよっ
ここに居るよ、私
天元の傍に居るんだよ
…………………………天元っ!!』
どんだけ泣き叫んでも天元は気づいてくれない
"__人間にあまり干渉させたくないが…
そなたなら許そう
地面にでも文字を書くといい_____"
聖華さん……?
そうか、文字
文字を書くんだ
私は涙を拭って木の棒を手にした
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鬼の子(プロフ) - ハル時々はるるさん» コメントありがとうございますー!!最近こっちのシリーズ更新出来なくて申し訳ない……、読者の方々に感情が伝わってくれる事が1番嬉しいです……!!ありがとうございます! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 764cc1638e (このIDを非表示/違反報告)
ハル時々はるる(プロフ) - やっぱ鬼の子さんの作品好きです!そして、夜見てて号泣しましたよw死ぬとこ…あ、また泣きそ (2020年1月11日 0時) (レス) id: 1867b93bcb (このIDを非表示/違反報告)
鬼の子(プロフ) - さん» わーわー!全然大丈夫ですよー、考えてくれることはとても嬉しいですしね……!これからも楽しく読んで貰えたら嬉しいです、よろしくお願いしますね (2019年12月29日 22時) (レス) id: 764cc1638e (このIDを非表示/違反報告)
- 私こそ気を遣わせてしまったような……お騒がせしてすみません…… (2019年12月29日 22時) (レス) id: b8651e6ca0 (このIDを非表示/違反報告)
鬼の子(プロフ) - 禰豆美さん» いえいえ!大丈夫ですよー! (2019年12月29日 22時) (レス) id: 764cc1638e (このIDを非表示/違反報告)
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