派手な大人と透明子供〔鬼滅の刃〕

140日目 ページ11

……………………

『お父さんっ……

目を覚まして、負けないで！！』

「う"ぁぁぁぁっ！！」

『鬼の血なんかに負けないでっ………………

お父さんっ』

「あ"あ"ぁぁぁっ！！」

ダメだ、何言っても聞こえてない

『血鬼術……

夢見桜』

自分の腕に傷を付けてお父さんに吸わせる

思い出して、お父さん

お母さんとの思い出

お母さんとの出会い

思い出して……お父さん

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晴仁side


ここは……？

「鬼……っ！？」

………………、氷花さん……？

なんで怯えた目で見てくるの……？氷花さん

「…………、大丈夫大丈夫

この鬼怪我してるもの！ひぃぃっ……ごめんねっ成仏してね！！」

震えながら刀を僕に向ける氷花さん

あぁ…………これは、あの日？

「……………………あれ？

牙が……ない？

ごめんなさいっ、もしかして鬼じゃなかったかしら……」

慌てふためく彼女にこの時、一目惚れをしたんだ

「僕は鬼だよ、人を食う醜い鬼だ」

「そうなの……？」

「人を食ったことはないけど……」

「まぁ、どうして？鬼は人を食うんじゃないの？」

珍しそうに僕を見る彼女

隙だらけで僕じゃなかったら絶対食われて死んでるよ

「僕は動物を食うから」

「へぇー、凄いのね

……ここから動けないの？私が助けてあげるよ」

鬼の僕にでも手を貸してくれる氷花さんは僕にとって天使のような存在だったね


ーー

日の感覚は僕には分からないけど何度かの冬を越して海を見に行ったよね

それはそれは綺麗だった

月に照らされて青く光る海は……月に照らされる氷花さんは、僕にとって太陽のようだったなぁ……

「晴仁さん、私と……結婚してくれませんか……？」


その言葉を待ち望んでいた

でも僕は怖かった、彼女の人生を狂わせてしまうのではないかと

「僕でいいのか……？鬼なのに？」

「晴仁さんがいいんだけどなぁ…………鬼も、人も、関係なく……

嫌……かな？」

多分その時とても顔が赤かったろう

「僕っ、も！

氷花さんが……好きだ……、鬼の僕にも優しくしてくれる氷花さんが好きだ

僕に綺麗なものを沢山見せてくれる氷花さんが好きだ

結婚しよう……」

「はいっ……！」

その日は朝が来るまで2人で泣いたよね

昼間家から出れない分、氷花さんは花を摘んできてくれたね

とても綺麗で大好きだったんだ……

また君の作る冠を被って2人で夜の花畑で横になりたいなぁ……



愛しているよ


氷花さん__僕の最愛の人______

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