風と雷。 ページ7
涙がじんわりと視界を歪めた。
「A、どうしたのだ？」
「カイラさまにしかられたのか？」
宮殿内でしゃがみ込む私を心配してか、フウくんとライちゃんが話し掛けてくれた。
そっと見上げると、可愛らしくて思わずギュッと抱きしめたくなる衝動に駆られたが、すんでのところで抑えこんだ。
「いいえ。カイラ様は優しいよ」
「？」
フウくんが首をかしげるので、私はゆっくり息をつく。
「私ってワガママだなぁって」
「わがまま？」
「Aはわがままなのか？」
エンマさんと友人という関係でもになれただけでもすごいのに、それ以上を望むなんて。
勝手に傷ついて、勝手にいじけて。なんてワガママなのだろう。
今だってエンマさん達を待たせているから、すぐにでも行かなければならないのに、足に力が入らない。
どのような顔をして会えばいいのか分からなくなる。
「フウくん、ライちゃん」
とりあえず目元を拭いて二人を見つめる。
「泣いた感じあるかな？」
「メモトがあかいぞ！」
「だが、よく見ないとわからない！」
「そっか！良かった。フウくん、ライちゃん、ありがとう」
二人に林檎飴を差し出すと、嬉しそうに目を輝かせていた。
それを見て沈んでいた心が回復した。
やっぱり二人は癒しである。
「じゃあ行ってくるね」
＊＊＊
ゆっくり鏡を通れば、エンマさんが眩しい笑顔でこちらに向かって来た。
「A、久しぶりだなぁ！元気にしていたか？」
心臓が鷲掴みにされたような心地である。
もうエンマさんの顔を見ただけで苦しい。
好きで好きで、大好きで。
溢れる想いが私を苦しめているのだろう。
「お、お久しぶりです。エンマさん」
ちゃんと笑えているかな。
顔は真っ赤になっていないだろうか。
「A、目に埃でも入ったのか？少し目元が赤い」
彼の手が私に近づく。
心臓が破裂してしまいそうだと思ったその瞬間私に伸びる手が止められた。
「エンマ、Aは仮にも女だ。距離感がおかしいぞ」
「Aが女である事は知っているぞ？カイラ」
「カイラ様…」
仮にも女だ、って。
「A、フウとライの写真の選別は終わっていないぞ」
だけどカイラ様の優しさを感じた。
私が傷付いた事もきっと分かっているのだろう。
もし分かっていなかったにしても、カイラ様は優しい方だ。
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岸 - yuiさん» yui様、好きと言っていただけて、こちらもきゅんきゅんしております( ´ ▽ ` )これから、もっとキュンキュンさせられるように頑張りますね！コメントありがとうございます(^^) (2022年8月4日 20時) (
レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
岸 - GHJさん» GHJ様、素敵なコメントをありがとうございます！返信が途方もなく遅くなってしまい、申し訳ございません…！これから再開していきますので、よろしくお願いします(*^^*) (2022年8月4日 20時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
岸 - 花音さん» 花音様、お返事が遅くなってしまい申し訳ございません。そう言っていただけて光栄です(^^)またぼちぼち再開していきますので、よろしくお願いします！ (2022年8月4日 20時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
yui - めっっっちゃ好きですこの話...凄いキュンキュンして、一人で悶えてます...... 執筆お疲れ様でした♪ (2022年1月22日 15時) (レス) @page20 id: 091807da6e (このIDを非表示/違反報告)
GHJ - 読んでいると楽しくなりすぎてもう全て読み終わっちゃいました＞＜続き楽しみにしてます！ (2021年12月5日 20時) (レス) @page20 id: 0fb369d062 (このIDを非表示/違反報告)
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