もふもふ。 ページ6
二人で写真集作成をしていると予想だにしない事が起きた。
「よぉ、カイラ。元気にやってるか?」
急に遠くから聞こえたエンマさんの声に私は激しく動揺し、その様子をカイラ様も確認し、カイラ様は笑いを堪えていた。
カイラ様は笑いを堪えきれず笑っていたが、やっぱりお優しいので私を軽く引き寄せると、カイラ様の背後にいつもくっついている、もふもふに私の顔だけ突っ込ませた。
「わっ…」
「カイラ、背後に居るのはAか?どうした?顔だけ突っ込んで…」
「Aには少し休憩をとらせている」
「そうか!だが、それで休憩になるのか?」
エンマさんの声が聞こえて、胸が高鳴る。
顔もどんどん熱くなっていて、今は絶対顔は見られたくない。
カイラ様の優しい配慮に感謝である。
「Aはいつもこれで休憩している」
「そんなに心地良いのか!俺も試してみたいんだが」
また心臓が煩く鳴り響く。
だんだんとエンマさんの声が近くになってきているから。
「エンマ、何の用だ?」
サラリと話題を変えるカイラ様。
「用がないと来ちゃいけねぇのか?カイラ」
「あぁ」
即答するカイラ様にエンマさんは笑う。
「A」
「は、はい!」
急にエンマさんに呼ばれ、私はもふもふの中で返事をした。
「久しぶりに会えたんだ。顔、見せてくれないか?」
「え、えぇっと、それは…」
今は恐らく顔が真っ赤でお見せできる顔ではない。
心の準備が必要である。
「エンマ、Aはよくここで休むが、大抵ヨダレを垂らしている。今は顔も洗ってきていない。ダメだ」
カイラ様のフォローが悲しすぎて、私は何も言えなくなる。だけどこの理由なら顔を上げずに済むだろうけど。
「そうか。なら俺はAの顔を見ないように下を向く。そのうちに顔を洗ってきてくれ」
「なんとしてでも見る気なんだな」
「あぁ。久しぶりに友人に会えたら嬉しいものだろう?」
その言葉にチリチリと胸が傷んだ。
友人、そう。あくまで私はエンマさんの友人である。
「顔、洗ってきます」
「大丈夫か?」
カイラ様の声が聞こえて、私は小さく頷いた。
「そうか」
私は顔を洗いに行くということで急いでその場から離れた。
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岸 - yuiさん» yui様、好きと言っていただけて、こちらもきゅんきゅんしております( ´ ▽ ` )これから、もっとキュンキュンさせられるように頑張りますね!コメントありがとうございます(^^) (2022年8月4日 20時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
岸 - GHJさん» GHJ様、素敵なコメントをありがとうございます!返信が途方もなく遅くなってしまい、申し訳ございません…!これから再開していきますので、よろしくお願いします(*^^*) (2022年8月4日 20時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
岸 - 花音さん» 花音様、お返事が遅くなってしまい申し訳ございません。そう言っていただけて光栄です(^^)またぼちぼち再開していきますので、よろしくお願いします! (2022年8月4日 20時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
yui - めっっっちゃ好きですこの話...凄いキュンキュンして、一人で悶えてます...... 執筆お疲れ様でした♪ (2022年1月22日 15時) (レス) @page20 id: 091807da6e (このIDを非表示/違反報告)
GHJ - 読んでいると楽しくなりすぎてもう全て読み終わっちゃいました><続き楽しみにしてます! (2021年12月5日 20時) (レス) @page20 id: 0fb369d062 (このIDを非表示/違反報告)
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