冗談。 ページ21
ぽたぽたと腕から滴り落ちる水。
「…私たち、付き合って…」
「そうだろ？相思相愛、想いを伝えあった。付き合わない、なんてあるのか？」
エンマさんは冷静に私に抱きついたまま言う。
「ん、そう固まってるとどんどん床が濡れちまうぞ」
「！」
急いでタオルを取り出して顔を拭いて雑巾で床を拭いていく。
「エンマさん」
「おう、どうした」
「でも、私過去の人間で、付き合うって…そんなこと可能なのですか？」
エンマさんは静かに私から離れて、私と目線を合わせた。
整った顔が目の前に近づき、少し後退る。
「不可能に近いな」
「不可能に近い…？」
「あぁ。禁忌だな」
禁忌？
ヒヤリと背中が冷える。
エンマさんの表情が読み取れない。
「え、んまさ…」
「だが、Aに嫌われてしまうくらいなら────」
彼の琥珀色の瞳が静かに弧を描いた。
嫌な予感がする。
「待って！待って、ください！！エンマさん！！」
「っぷ……ははっ！！」
エンマさんが突然笑いだし、私はまた固まる。
「大丈夫だ。禁忌じゃねぇよ。Aが今すぐ俺と結婚するってなら話は別だけどな」
「なっ、結婚！？」
「いーんだよ、Aが俺の時代に長く留まらなければ大丈夫だ。もちろん俺も同じだ」
エンマさんは私の腕を引いて立ち上がらせた。
「ほら、この時代の俺が来る前に行くぞ」
腕を引かれるがまま、アパートを出ると、不機嫌そうな表情の妖怪。その表情が愛らしくて笑ってしまう。
「エンマ」
「未来の俺と居たのか」
エンマさんを見上げるエンマが可愛らしい。
そんなこと口に出したら怒って口聞いてくれなくなりそうなので黙ってるけど。
「うん、今から雷電龍を倒しに行くの」
「俺も行こう」
「え！？」
「嫌か？」
「嫌じゃないよ！」
＊＊＊
「Aも苦労人だな」
「え？苦労人ですか？」
最後の一人はエンマさんがぬらりひょんさんを呼んだ。
「A、始まるぞ」
エンマに言われ、顔をあげると雷電龍が笑みを浮かべ、私達を見下ろしていた。
雷電龍とのバトルは気を抜いてなんて居られない。
抜いたら土俵の外に真っ逆さまに落ちていく。もう二度と経験したくない。
「よしっ…」
気合いを入れてウォッチを構えた。
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岸 - yuiさん» yui様、好きと言っていただけて、こちらもきゅんきゅんしております( ´ ▽ ` )これから、もっとキュンキュンさせられるように頑張りますね！コメントありがとうございます(^^) (2022年8月4日 20時) (
レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
岸 - GHJさん» GHJ様、素敵なコメントをありがとうございます！返信が途方もなく遅くなってしまい、申し訳ございません…！これから再開していきますので、よろしくお願いします(*^^*) (2022年8月4日 20時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
岸 - 花音さん» 花音様、お返事が遅くなってしまい申し訳ございません。そう言っていただけて光栄です(^^)またぼちぼち再開していきますので、よろしくお願いします！ (2022年8月4日 20時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
yui - めっっっちゃ好きですこの話...凄いキュンキュンして、一人で悶えてます...... 執筆お疲れ様でした♪ (2022年1月22日 15時) (レス) @page20 id: 091807da6e (このIDを非表示/違反報告)
GHJ - 読んでいると楽しくなりすぎてもう全て読み終わっちゃいました＞＜続き楽しみにしてます！ (2021年12月5日 20時) (レス) @page20 id: 0fb369d062 (このIDを非表示/違反報告)
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