あの子。 ページ14
『今日の祭りには花紺青の美女がいるらしいぜ』
『花紺青…？』
『あぁ、花紺青色の浴衣を着た美しい女性がいるんだとよ』
砂利の音と共に、草履の足音が聞こえると歓声が上がった。
「A」
妖怪達の間から見えたその姿につい呼ばずにはいられなかった。
彼女の瞳がこちらを映し、そして、パァッと花が咲いたように笑った。
「大ガマ！」
袖を軽く押え、手を振る彼女に急いで酒の入った盃を置いて、駆け寄った。
「久しぶりだな！A、元気してたか？」
「大ガマは？」
「あぁ。この通り、ピンピンしてるぜ？」
Aの髪は普段とは違い、高い位置でまとめ上げているため、普段見えないうなじが見え、少し目を逸らしてしまった。
「そうだ。A、一緒に飲もうぜ？」
「えっ…大ガマの好きなお酒辛いからなぁ…」
眉を下げる彼女も魅力的である。
無理強いは良くないと思い、話題を変える。
「A、その浴衣似合ってるぜ」
「女郎蜘蛛とえんらえんらに着付けてもらったの。ふふ、大ガマに褒められたら嬉しいや」
彼女は頬を染めもせず言うものだから、脈がないの丸分かりである。
彼女が頬を染める相手は誰だか分かっている。
だから余計に悲しい。
「大ガマ、大ガマ？」
「ん、わりぃ、Aがあまりにも綺麗になってたもんだからよ、馬子にも衣装…げこっ…」
「馬子にも衣装…？へー。もう一回言って？次は魂抜き取るよ？」
そう言って、ウォッチを付けるAを慌てて止める。
「冗談だ、冗談！」
「許してあげる」
「本当か！？」
「その代わり、絶品牛乳とねり飴買いたいから付いてきて」
Aはそう言って、本家の宴会場からぐんぐん離れて、屋台へと向かっていった。
＊＊＊
「…ねり飴もいいけど、こっちのりんご飴もいいなぁ…」
「そんなのどっちも買ってやるわ、俺は本家軍大将だぜ？」
「あ、いや、奢って貰うつもりないよ！？」
「あ？奢らせるつもりで連れてきたんじゃねぇのか？」
驚いて彼女を見ると、彼女も驚いた顔をする。
「いやいや、一人が嫌だったから、大ガマには罰としてついて来てもらっただけだよ」
「お前なぁ…」
「ごめんね」
「そうじゃねぇよ」
なんでAと一緒に回るのが罰になるんだよ。
「俺が全部奢ってやるから食べたい物片っ端から回ってくぜー」
「えぇ！？」
「そして太るんだな」
ゲラゲラ笑うと叩かれた。
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岸 - yuiさん» yui様、好きと言っていただけて、こちらもきゅんきゅんしております( ´ ▽ ` )これから、もっとキュンキュンさせられるように頑張りますね！コメントありがとうございます(^^) (2022年8月4日 20時) (
レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
岸 - GHJさん» GHJ様、素敵なコメントをありがとうございます！返信が途方もなく遅くなってしまい、申し訳ございません…！これから再開していきますので、よろしくお願いします(*^^*) (2022年8月4日 20時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
岸 - 花音さん» 花音様、お返事が遅くなってしまい申し訳ございません。そう言っていただけて光栄です(^^)またぼちぼち再開していきますので、よろしくお願いします！ (2022年8月4日 20時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
yui - めっっっちゃ好きですこの話...凄いキュンキュンして、一人で悶えてます...... 執筆お疲れ様でした♪ (2022年1月22日 15時) (レス) @page20 id: 091807da6e (このIDを非表示/違反報告)
GHJ - 読んでいると楽しくなりすぎてもう全て読み終わっちゃいました＞＜続き楽しみにしてます！ (2021年12月5日 20時) (レス) @page20 id: 0fb369d062 (このIDを非表示/違反報告)
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