8カメ【お姉ちゃん】 ページ9
「ここが子供の店だ」
「KoKo七番屋ってカレー屋さん……?」
「エゥ、よくわかりましたね」
「匂いでなんとなく」
扉を開くとより強まるカレーの匂いにお腹がなる。マクドナルドは嬉しそうに笑っていつもの調子で「子供よォ」と声を上げた。すぐに「パパ、いらっしゃい!」と牛のキグルミを着た女の子が駆け寄ってくると、Aを見つけるなりすぐに優しく微笑んだ。
「はじめましてかな。こんにちは」
「こんにちは。亀胡Aです、9歳です」
「牧田ここなです。Aちゃん、よろしくね」
二人が挨拶をしていると、先客が出て行ったのを見計らってカウンターから出てきた二人の店員。どちらも怖そうな顔立ちと牛のキグルミとのギャップがすごい。はじめまして、と突如かけられた低い声に驚いてマクドナルドの足にしがみついて隠れてしまったA。
「Aちゃん、二人とも顔が怖いだけで悪い人たちではないからね。こちらが川上さんでこちらが麻林ラルさん」
「「ども」」
ペコリと頭を下げた二人にまだ恐怖心がとけないのか、Aはまだマクドナルドの足に顔をこすりつけている。その様子を見て川上が不思議な顔をして言った。
「マクドナルドさん、その子供どうしたんです」
「アゥこの子は私の子供だ。つまり」
「ここなの妹!?」
嬉しそうに目を輝かせたここな。その声につられてかAも少しだけ顔を覗かせて微笑んだ。その隙をついて、麻林ラルがAの首根っこを掴んで子猫を運ぶ親猫のようにひょいと持ち上げた。
「……ッ」
怖いけど隠れるものを失ってしまったAは隠れているのか反撃なのかカメラを顔の前で構える。マクドナルドに勝手に写真を撮ってはいけないと教えられたのでシャッターは切らない。
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宇治銀時(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。これからも不定期更新にはなりますが待っていていただけるとありがたいです!m(_ _)m (5月3日 12時) (レス) id: 7eec906a71 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - いやまじで最高ですありがとうございます (5月3日 12時) (レス) @page21 id: b396ddc2bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宇治銀時 | 作成日時:2024年3月21日 21時