4カメ【免許取得】 ページ4
「そういえば、赤いのが怖がらせたみたいで、大丈夫だった?」
牛のキグルミに着替えたAを教習所まで連れて行く道中、問いかけた。その話題が出た瞬間にAが慌てて首を振った。
「ごめんなさい、怖がってたわけじゃなくて。前に育ててもらったお兄ちゃんが赤い髪で……ただ気になって」
「あ、そっちかー。まぁでも折角だしこのままはしるが教えるね」
「はい、お願いします!」
この街では免許取得に年齢は関係無いようで、ビデオを見てから教習所の内外を軽く走ればすぐに取得できた。偉い偉いと褒めてくれるはしるに嬉しくなってカメラを向けた。
Aにとってカメラは感情表現の一端を担っている。と、まぁそんなこと知る由もない七半はしるはとりあえず向けられたレンズにピースした。
「可愛くとれたかなー?」
「はしるお姉ちゃんは元々可愛いので」
「照れるなー……じゃあ、もう行くね」
ばいばーい!と走り出した七半はしるが足をもつれさせて盛大に転ぶ。その衝撃で先程まで被っていたヘルメットが音を立てて転がり落ちた。
「あ」
「え」
はしるのヘルメットが取れてそこにいたのは、しまったという顔をするヘラシギ。そう、彼女を怖がらせまいとしたヘラシギは気を使って同性っぽい七半はしるになることで免許取得をスムーズにさせようとしたのだ。実際成功はしていた、転んでヘルメットをふっ飛ばすまでは。
「ヘラシギ……さん?」
「まぁ、なんやろな。はしるはヘラシギさんです。騙しててごめん、車あげるから許したって」
無言でフラッシュをたく少女と申し訳無さそうにうなだれるヘラシギ。その二人を遠巻きに去っていく人々。
そんなこんなでAは無事に免許を取得し、ついでに車もゲットしたのであった。
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宇治銀時(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。これからも不定期更新にはなりますが待っていていただけるとありがたいです!m(_ _)m (5月3日 12時) (レス) id: 7eec906a71 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - いやまじで最高ですありがとうございます (5月3日 12時) (レス) @page21 id: b396ddc2bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宇治銀時 | 作成日時:2024年3月21日 21時