検索窓
今日:36 hit、昨日:45 hit、合計:18,461 hit

2カメ【はじめまして】 ページ2

はじまりは、そう。この街に来たばかりで何をすればいいかわからずレギオンで座り込んでいた時のことだった。

「いらっしゃいませー」

「……」

「そこの子、お腹すいてない?」

「………」

「聞いてる?」

「…!私ですか?」

「そうそう、君と俺しかいないからね今」

とととっと近寄ると、『奇肉屋』と書かれた怪しげなワゴン車の隣で怪しげな肉を持ったエプロン姿の怪しげな人。見るからに怪しい雰囲気にとりあえずAはカメラを向けた。

パシャッ

「うわっ!?ちょ、撮るなら言ってよ」

「あ、ごめんなさい」

しょぼんと、下を向いたAに怒ってないよと笑いかけて商品を見せる男。端から見れば不審者でしか無いが、特に誰も気にする事なく通り過ぎていく。

「で、お腹空いてない?」

「えっと、お腹」

きゅるる〜、と示し合わせたように音を鳴らしたAのお腹。慌ててお腹をおさえた少女だが、あまりの慌てっぷりに驚いたのは男の方だ。

「そんなに必死に隠さなくても大丈夫だよ。……俺はマカイーノアッコパス、ここ奇肉屋の店長をしてるんだけど君この街に来たばっかりだよね?」

「はい」

「じゃあ、この街での生活の仕方を教えてあげよう」

基本的にはどこの街でも同じように食べ物や飲み物が欲しい時はお金で買う。お金は働いて稼ぐ。そんな初歩的な説明の流れで商品を見せた奇肉屋の店長。Aは言われた通りお金を渡すと受け取った得体のしれない肉にかぶり付いた。

よっぽどお腹が空いていたのか地面に座り込んで一心不乱に肉を貪る。その姿は猟奇的にも見えたが店長は満足そうに少女の食事を眺めていた。

少女のお腹が満たされたのを確認して、店長はようやく彼女の名前を聞いていなかったことを思い出した。

「君なんて名前?」

「私?……亀胡(かめこ)A。9歳。一人で来ました」

「9歳なのに一人で?大変だね」

「ずっと一人だったので」

3カメ【七半はしる】→←1カメ【プロローグ】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
309人がお気に入り
設定タグ:GBC , ストグラ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

宇治銀時(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。これからも不定期更新にはなりますが待っていていただけるとありがたいです!m(_ _)m (5月3日 12時) (レス) id: 7eec906a71 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - いやまじで最高ですありがとうございます (5月3日 12時) (レス) @page21 id: b396ddc2bf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:宇治銀時 | 作成日時:2024年3月21日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。