君と出会った街

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「……一旦カジノか」

外へ行こうとした私に待ったの声がかかる。番田さんから、カジノだけはやめといた方がいい。と、真剣に止められる。そのただならぬ雰囲気に疑問が浮かぶ。カジノといえばみたいなこの人達が何故こんなに必死に止めてくるのか。

「勝ちにくいんですか？」

「いや、勝ちにくいというか。換金率が35%なんだよね」

「はい？」

「35%しか返って来ないの」

脳みそがフル稼働で計算を始める。……ここはとりあえず炎上不可避の作業カジノルートしかないか。

「今って個人医は忙しいですか？」

「いや、今のとこは割とこの人数で回せてますね」

「ちょっとしょぼすけさん泣かしてきます」

その後1時間ほどカジノにしがみついてありとあらゆる方法でチップを稼ぎ、途中バカ負けした瞬間も来たがなんとか勝ち越し見事ShinobiをGETした。コメント欄が過去最大の盛り上がりを見せる中、ようやく先輩方に仕事に戻った事を報告する。

「『お疲れ様です、A出勤します。……色々とあったけど結果的に勝ちました』」

『勝ちましたマ！？』

『こわ』

「『たぶん出禁確定したんでこっからは真面目に働きますね。あと衛星からの罰ゲームで先輩達のことお兄様お姉様呼びしますね。……で、本題。お兄様方もしかしなくても薬作ってますよね？』」

ﾅﾝﾉｺﾄｶﾅ？としらばっくれる御三方に『カジノ暇やったんで無線をBGMにやってたんですけど』と付け加えると面白いくらいに正直に『いや、レシピコンプしちゃってさ』と掌を返し始める。

「『私も手伝った方がいいですか？』」

いや、いいんじゃないかな。とすかさず返事をくれるマイキーさんに質問する。

「『ご兄様、銀行強盗って捕まらなきゃ前科つかないですか？』」

『ああ、まぁ……。え、待って。もしかして銀行強盗しようとしてるの？』

「『っすね。私だけずっとお金無いの寂しいんで』」

やめて、俺の知ってるAちゃんは銀行強盗なんかしない。と、真剣に言ってくるマイキーさんに応える。

「『実はちょっとここに向けて、レベリングしてきました』」


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チートにならないように気を付けてるつもりですけどもしかしたら勇者ちゃんチート寄りかもしれん。

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