君と出会った街

【ストグラ】24時間の嘘。 ページ21

初っ端失恋してる。
主→馬ウアー
だけど馬ウアー出てこない。

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警察を辞めてから一度もかかってきたことのない男から連絡が来た。かつては私を先輩と慕ってくれていた男は、署を去った番田元署長を追う様にして警察を出た私に怒ってすらいたのかもしれない。それならずっと連絡なんてくれなければ良かったのに。

「……はぁ」

「そのため息何度目？Aの事は理解してたつもりだけど男の趣味だけは未だによくわからないわ」

目の前に置かれたロックグラスは泣けない私の代わりにぐしゃぐしゃに泣いている。結露した雫を指ですくい、ツーッと机の上をなぞる。

「ほら、遊ぶんなら帰りなさい」

「んぅー。嫌よ、帰ったら結婚式が来ちゃうもの」

「帰らなくても来るわよ。数日前は結婚式だなんだと喜んでたのに」

びしょ濡れのグラスも取り上げられて取り残されたのは私の小さな心だけ。喜んでた結婚式は命田さんとあんずちゃんのだもの。泣きたいのは明日の馬ウアーの結婚式。

「そんなにウジウジするなら結婚式壊せばいいじゃない」

「イベントテロってこと？ロケラン打ち込むの？それとも、ウェディングケーキの中に潜んで良いタイミングで壊すとか？」

「昔から不思議だけどその破天荒な発想力はどこからくるのかしら。……そうじゃなくて」

不二子が提案したのは典型的な略奪。式が始まって誓いを結ぶ直前に「待った！」と声を挙げて花婿を奪う。なんて、そんな恥ずかしいこと出来るわけも無いのに酔った勢いでこういう服装でこんな台詞でと話に花が咲く。

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