最高で最悪の結果。 ページ7
そんな矢先、とんでもない情報が耳に入った。むしろ今までどうして耳に入らなかったのか不思議なくらいだが……。
「えっと、風神雷神の討伐……ですか？」
「ああ、光月おでんが言い出したみたいでな。どうも仲間が雷神様の雷にうたれたみたいで」
よりによってイヤなことが起きた。
まずは時代背景がわかったこと。
ここはまだ光月おでんが生きていて、白ひげ海賊団に入る前。
つまりルフィは生まれてないどころかあのゴール・D・ロジャーが生きている。
そして、もう1つのイヤなこと。
その光月おでんが私とスズネを討つつもりらしい。
しかも、私がおでん様の仲間を攻撃したとか何とかいう理不尽な理由で。
あーまぁ、わりと理不尽な人だったか？
いや、理不尽というか破天荒というか……。
「でも雷神様はそんなことしないよね。
きっと前の雷神のことだと思うんだ。あの神様は乱暴者だったから」
「……」
何してくれとんねん前のヤツ！！
自分のお尻くらい自分でふけやぁ！！！
なんて荒れ散らかしている私の心とは関係なく例の人が現れた。
「ここに雷神なる化生がいると聞いて討ちに来た！」
大きな声に驚いてそちらを見ると1人で現れた光月おでん。
両手には刀を握り今にも斬りかかってきそうな雰囲気。
別に町民を傷付ける気はないみたいだが、殴りはしそうだ。
さすがにここまで築き上げた彼らとの信頼をぶち壊されたくない。
「私がその雷神だ！
あなたの仲間を傷付けたことなんて一度もないがそれでも暴れるつもりであるのなら受けてたつ」
「ほう、その覚悟やよし。
って女？おれは大男だと聞いていたが……」
「数十年ほど前に雷神と呼ばれていた輩は女子供に手をあげる卑劣な大男だと聞いている。
私はその男とは会ったこともないが折角頂いた神の名を汚したくはない。
……だから逃げも隠れもしない」
「つまり」
おでんの目付きが変わるのがわかった。
ああ、斬り殺される。
そんなビジョンが脳内に鮮やかに描かれる。
そのビジョンにあわせてたまたま持っていた小刀を彼の攻撃を受け流すために構える。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：宇治銀時 | 作成日時：2021年9月20日 20時
