奥の手。 ページ34
前の島でミコトのためにプリン作ってやるんだと人が貸した金で浮かれて高級な材料を買い込んでいたシャチ。
さっきからペンギンに嬉しそうに話してる様子とわざと遠巻きにミコトを見ているところから完成したであろうことがひしひしと伝わってくる。
「プリン！？……私のために？」
好物を出せばローのことなどすっかり忘れて飛び付くのが彼女だ。目にもとまらぬ速さでシャチに詰め寄ると、プリン食べたいと幼子のように彼を見つめる。
金を返してくれなかった誰かさんが悪いのだ、と笑うイッカクの隣に相棒を切り捨てて逃げてきたペンギンが座る。
「悪いこと考えるな、お前も」
「お互い様でしょ。まぁ、これでこの前貸した分のお金はチャラにしてあげるわ」
「あー、そりゃシャチが悪いな。にしてもよくやるよなアイツも。
「誰に見付かったら何だって？」
そういってペンギンの肩に置かれた手はもちろんイッカクのものではなく。
「
「"room"」
あの例の半透明なドームが出来たと思えば、いつの間にか船長はペンギンの後ろからミコトの隣へと移動しており代わりに先ほどまでローがいた場所にはシャチが座り込んでいる。
「あれ、ロー……ちゃんとベポくんにごめんなさいした？」
「ああ謝った。それ甘そうだな……うまいか？」
「謝ったのならよし。
このプリンはシャチくんが作ってくれたんだけど結構甘さ控えめだよー、ほら。あーん」
「ん」
プリンよりも圧倒的に糖度の高い光景を見せつけられ、さっきまで揉めてたのはなんだったんだと呆れ返る一同はそそくさと持ち場に戻る。これがハートの海賊団の日常である。
あれで片方は物理的に心臓を相手にとられているなんて誰が信じるのだろうか。
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ハートの海賊団好きだわ。
しばらくスズネ出ないかもです。スミマセン。
もう一話くらいで、すぐシャボンディ諸島到達する予定ですが下書尽きたのでしばらく更新とまるかもです。
同じくifルートもネタ尽きました……。
はよドレスローザ入りたいけど読み返さないと内容覚えてない。
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作者名：宇治銀時 | 作成日時：2021年9月20日 20時
