【ONE PIECE】目が覚めたらワノ国出身の雷神で友は風神でした。 (ページ21)

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義兄弟。ページ21

きっかけはきっと分かりきったこの儀式。

お酒を飲んで義兄弟の盃を交わす。この少年たちの思い付きは私の記憶を呼び起こした。記憶の戻った私は飲み干して空になったお猪口を置き、冷静に物事を整理し始めた。

もう兄弟になってしまった。本当は三人兄弟なのに結果は五人兄弟。これは原作の改変になるのだろうか？

夜、皆が寝静まったとき。

私はスズネを起こして記憶が戻ったことを告げた。

まだここに残りたいか聞くとスズネは名残惜しそうに首を横に振った。

「ここで出なきゃ、戻れなくなりそうで怖いの。ルフィの側にいたい気持ちが大きくなりすぎそうで……」

そう言って苦しそうに笑ったスズネは本当は兄弟になりたくなんてなかったのだろう。申し訳ないことをしてしまった。

そして次の日、三人に置き手紙を残して私とスズネは人生初の盗みを働いた。小舟を一隻盗んだのだ。

そこからは宛のない二人旅が始まった。宛はないが風は思い通りに動かせたから困ることはなかった。

ログも辿らず降りた島でも白ひげの情報だけを集め、あの船に戻ることばかりを目指した。

そのなかでわかったことと言えば私たちは死んだことになっているということ。

どうやらオヤジは私のあの世迷い言を信じてくれたらしい。