こんにちは雷神様。 ページ3
あの世界は夢ではなかったみたいだ。
目が覚めると私は布の上に寝かされていて、側には先程の方を含めた町民？らしき方々が平伏していた。
「雷神様、お目覚めになられたようで」
「このようなところですみません、これでも精一杯の貢ぎ物でして」
沢山の食べ物と着物が積み上げられていて、あれだけの物集めるの大変そう……と他人事のように眺める。
「あ、ありがとうございます……？お腹すいてたんで」
「雷神様はお腹をすかしておいでのようだ！それと身体が濡れておられる、女はお召し物を男はご馳走をお持ちしろ！」
一番偉そうな長老的な人の合図で一斉にわかれる町民の方々。
とりあえず女性だけになった瞬間に優しく服を剥ぎ取られる。
え、なんか変な宗教の人たちだったらどうしよう。
「次の雷神様は女の子の見た目なのですね」
「あの、雷神様って？」
優しい女の人達が雷神について解説してくれた。
九里の山にこっそり住まう風神と雷神。
風神は誰も見たことがなく、羽衣を身にまとい。
雷神は時折人里におりては奇跡を起こして貢ぎ物を持って山へと帰っていく。
神様なので名前を知ってはいけなくて、恐れているけれど大切にしないとバチが当たる。
利用しようとしてもバチが当たる。
あくまでお願いを叶えてもらうだけ。
でもお願いといっても雷神は嵐を呼ぶことと雷を起こすことしかできないからその二つに関連したお願いだけしか出来ない。
前の雷神は恐い人だったらしく、家を壊して欲しいと頼んだら代わりに女を抱かせてくれと言ってきて渋ったら四軒くらいの家に雷を落として燃やしてしまったらしい。
しかも肝心の壊して欲しかった家はそのままで。
だから今回のお願いはその家を壊すことだそうだ。
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作者名：宇治銀時 | 作成日時：2021年9月20日 20時
