手合わせ。 ページ20
「よっと、今日はどうすんの？」
「とりあえずルフィと手合わせしてやれよエース」
「ハァ？なんでおれが」
イヤそうな顔でこちらに抗議してくるエース。
それなら私が代わりにルフィの相手しようか？そう言おうとした時、私の右手をサボが掴む。
「エース！戦ってくれんのか？」
「ルフィ頑張って！エースも！！」
にこにこと切り株に座って見物を始めたスズネを見たエースが頬を赤らめて、渋々と木から降りてルフィと向かい合う。
「仕方ねぇな……」
「やったー！」
ルフィは戦えることが嬉しいみたいで怪我なんかお構い無し。まぁ、それはルフィだけでなくエースとサボもなんだけど。
よく三人で街にいって盗みを働いているそうだ。
「エースは……スズネのこと好きなのかな」
ボソッとサボが呟く。彼の珍しく静かな声に驚いた。しかも、中々にふわふわした内容だ。
「なになに？もしかしてサボもスズネのこと好きだったりするの？」
「おれはちげーよ、スズネじゃなくて」
「それよりいつまで私の腕つかんでるの？」
「わっ、ごめん」
慌てて真っ赤な顔になるサボ。何か怪しい。っていうか、スズネじゃなくて……の続きが気になる。
けど、スズネに関しては胸を張って言えることがある。
「サボがもし好きだったんなら申し訳ないけど、スズネはルフィ一筋だよ」
「ああ、知ってるよ。初めて会ったときからそうじゃねぇかって薄々思ってた」
「ふーん、鋭いね」
「お前と違ってな」
「なに！？」
そこの夫婦、喧嘩すんなよー！とエースからヤジがとぶ。誰のせいでこんな話になったと思ってんだか。
すまんすまん、と笑いながら飛び降りたサボの顔が赤かったように見えたのは気のせいだろうか。
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作者名：宇治銀時 | 作成日時：2021年9月20日 20時
