対戦。 ページ18
ルフィ相手にやったときはそのまま、いてぇとうずくまってしまったからこの後を考えていなかったが、エースはやはり1枚上手だったみたいだ。
下がった頭と対照的に左手がこちらに向かってとんできた。直情的なまっすぐな攻撃は私が棒を持っていることを忘れているのか、もろ棒のど真ん中に直撃した。
簡単にガード出来る、そう思った私の耳にとんでもない音が響いた。
それは木の棒の崩壊が始まった音。
咄嗟に身体を彼の拳の軌道と違うところへそらす。と同時に棒が真っ二つに砕けた。
エースの手は真っ赤を通り越してちょっと紫っぽくなってて見るからに痛そう。
だが本人はそんなこと気にしていないみたいで、すかさず右手がとんでくる。
その右腕を左手に持った棒で跳ね上げ、右の棒で彼の顔を狙うとタイミングが遅かったのか腕を捕まれてしまった。
彼の右腕を自由にしておくのは危険なので左手で掴む。そのまま互いににらみ合いにもつれ込んだところを先程までエースと一緒にいた男の子が近付いてきた。
さすがに二対一は分が悪いかもしれない。
完全にエースの実力を見誤っていた。振り上げられたもう一人の男の子の拳は果たして、私の方へとんでこなかった。
代わりにエースの頭を捉えた。
「何すんだサボ！」
「それはこっちのセリフだ！相手は女の子だって言っただろ！！……それに、エースと同じくらい強い」
「いや、おれより弱いだろ！？」
「おれはサボ。お前は？」
そのままエースを抑え込んで笑顔で手を差し出してきたサボ。その手を掴む。
「私はミコト。よろしくね」
そんなこんなで仲良くなった私たち三人、そこにルフィとスズネが加わったのは約二ヶ月後だった。
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作者名：宇治銀時 | 作成日時：2021年9月20日 20時
