オカンと覆面男の幼なじみは紅一点【最/俺】 (ページ3)

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「東雲さんと康介は幼馴染みだったんだな、初めて知ったよ」

やっとツボから抜け出せたのか、清瀬くんが話を切り出す。
「まあ、腐れ縁ってやつ？今はクラスも登下校の時間も違うから、一緒にいることは殆ど無いし」
「俺いつも赤点ギリギリだから、偶にこうして勉強教えてもらってんの」
「なるほどなー」
納得したような表情を浮かべる清瀬くんに、段々と慣れていくのを感じる。

清瀬くんとはずっとクラスが一緒だが、サッカー部で明るい彼にはどうしても壁を感じてしまっていた。だが、こーちゃんの友人と言うだけあって、ゲームが上手いし、話もだいぶ合うことに気がつけた。

暫く清瀬くんと談笑していたが、彼は耳を疑うことを口にした。

「びっくりしたよ。康介の彼女が来たかと思ったわ」
「はい？」
先程と同じように思考が停止する。
こーちゃんも驚いたようで。
「は？こいつが彼女とか一億積まれても無理だわ」
と、言っている。
これだけ一緒にいたらそういう感情はなくなるのだ。

…ん、待って？
「こーちゃんって彼女いんの？」
「「いや、そっからかよ！」」

そう言う系統の話は、なんとなく避けている節があった。というか、する間柄でもないし。
「え、本当にいるの？私ここにいるのヤバくない？」
「大丈夫、今はいないから」
「今は、ってことは過去にはいたんかい」
「東雲さん、知らなかったの？こいつ先月までいたよ。新しくできたのかと思って」
「えええ…」
まさかの暴露にただでさえ追いついてない頭が、さらに悲鳴を上げ始める。

「こーちゃん…」
「はい…」
思わず出てきた低い声に、こーちゃんの肩がびくりとする。

「彼女がいる身で、他の女を家にあげてんじゃねえよ。何考えてんだ、お前」
「いや、Aだから良いかなって…」
「そんなわけねえだろ。彼女の気持ちになってみろよ」
「はい…すみません…」

こーちゃんに怒る私。
少しずつ縮こまっていくこーちゃん。
それを見て笑いを堪える清瀬くん。

カオスだなあ。

私ははあ、と溜息をつく。

「次彼女ができたら、必ず言うこと！」
「…はい…」
「付き合ってる間は勉強教えないから」
「え、何でだよ！」
「当たり前だろ。彼女にしてみたら、彼氏が別の女と一緒にいるんだから嫌に決まってんだろ」
「そんな…」

こーちゃんはガックリと肩を落とす。
が、すぐに閃いたような顔をして。

「じゃあキヨも一緒にいれば問題ないよな？」

「「はあ？」」

清瀬くんは真顔になっていた。