泣いちゃダメ。【呪術廻戦】【狗巻棘】

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Aside



一通り手合わせを終え、皆で階段に座って休憩する。
真希先輩とパンダ先輩は任務で抜けた。

「A強ぇ−よ！」

私の近くで草むらに横になった悠仁が言う。
遠目に野薔薇たちが駆けてくるのが見えた。

「ふふん。すげぇでしょ」

嫌味ったらしく煽りを含めてそう言うと、純粋に「おお！すげぇ！」と返ってきた。

そんな悠仁をおばあちゃんの様な眼差しで見る。

「高菜ー！」
「うわっ」

急に背中が重くなり、棘くんの声が耳元で聞こえる。

「すじこツナぁ！」

棘くんの筋肉質の腕が首に回され、いわゆるバックハグ状態になる。
彼氏かよ。

「しゃけ！すじこ！」
「ありがとうございます！やったー」

褒められた。
でも……

「棘先輩…ちょっとくすぐったい、です」

吐息が耳にかかって何とも言えない気分になる。
棘くんのイケボと相俟って、ぞわぞわしてくる。

「しゃけ？」
「ひッ」

ふぅーっと耳に息を吐かれて身体がビクつく。
思い出した…
そういや棘くんイタズラ大好きだった…

「ふぅー」
「ひゃ、っ」

首に腕を回されているので、身動きが取れない。




「………ねぇ。私たち何見せられてるの」
「………」
「いちゃいちゃ？」

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