泣いちゃダメ。【呪術廻戦】【狗巻棘】

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No side

急遽グラウンドでの鍛錬は中止になり、教室で話すこととなった。


「なぁ狗巻先輩…」


「何でAのこと殺しやがったんだよ！？」

狗巻の胸ぐらを掴む釘崎。
椅子を勢いよく引いた為、椅子が倒れる。
ガタンという無機質なその音も、今はどうでもよく感じる。

「釘崎落ち着け。遊間は寝てるだけだ」
「あ"ぁ"ん？」

伏黒が諭すも効果なし。
1日2日で同級生二人がいなくなることは彼女に重くのしかかったのだろう。
虎杖だけではなくAまで。

「おかか……」

力なく発せられた"ごめん"が虚空に響いた。

「おい棘。憶測だけどよ、お前、Aと昔会ったことあんだろ」
「っ…ツナ？！」

誰にも話していない事実を真希に知られ、驚きが隠せない。

「すじこ？」
「Aが棘と挨拶交わしたとき、なんで1発で名前当てれんだよって思った、以上」


＿＿＿＿「真希先輩と、パンダ先輩と、棘…先輩」＿＿＿＿


朝の記憶が蘇る。
秘密にしておくことは無理だな、と思いスマホを取り出し、何やらメモを始めた狗巻。







『小さいときに、Aと会った』



『いわゆる幼馴染ってやつ』



『友達がいなかった俺は、Aとずっと遊んでいた』



『Aが引っ越すとき、泣きじゃくるAを見て、』



『泣き止ませたくて、呪言を使った』



『その時に、"泣いちゃ、ダメ"って』



『言ったあとに、後悔した』



『めちゃくちゃ後悔した』



『最初は、』



『ぴたっとAが泣くのを辞めたから、』



『子供心に大丈夫なのかなって思った』



『でも、大丈夫じゃなかった』



『やっぱり呪言は使っちゃいけない』



『Aと再開したとき、』



『悟にはだいぶ薄まってるって言われた』



『だけど』



『死ななかっただけで。』

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