泣いちゃダメ。【呪術廻戦】【狗巻棘】

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Aside




おっさ……夜蛾学長の脇に並べられた可愛いぬいぐるみに気を取られながらも、学長に向き直る。

「質問だ、遊間A。お前はここに何をしに来た」

何しに来たも何も、お宅の高身長目隠しに連れてこられた様なモンなんですが。
ちらりと棘くんの方を見やるが、もう居なかった。
え？どこいった？

「任務だ」

まるで心を読んだかのように疑問に答えてくれた。
お宅、エスパーか何か？

「質問だ、遊間A。お前はここに何をしに来た」
「私、は……」

別に何しに来た訳でもない。
連れてこられた、に近い。

本当に無いんですごめんなさい。
絞ってこれしか出てきませんでした。

「後進育成と呪霊大量討伐」
「理由は」

理由ううう？
ごめ考えてなかった。

「えーと、どの術師より呪符師が一番衰退して行っている為であります。師匠の様にたくさんの人を救う為であります」

申し訳ない。
苦し紛れの言い訳だ。

「不合格だ」

低い声で言い放たれ、身体が強張る。


「後進育成した後は？

後進がいなかったら？

後進が呪力を扱うのが下手だったら？

後進の前に呪符を作る者がいなくなったら？

何故師匠の様になりたいと願う。

多面性を持って挑まないのか」


何故か。


「私は…呪殺された人を救う。薄っぺらい思いとして受け止められたなら、貴方がそう思うなら、それでいい」

「私の覚悟はもう決まっている」

グッと拳を握りしめる。

「後進育成の後は今まで通り呪霊を祓う。それで特級目指す」

「後進がいなかったら、私が最後になるから、何かに全部まとめて後世に残す」

「呪符を、呪力を扱うのが下手だったら一から教える」

「呪符を作る人がいなくなったらその時は呪符師全員の最期」

「呪具を使って、術式を流して、呪力を使って相手を倒す」




「私は、呪符師の肩書きのまま、呪符師を辞める」















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