【地縛少年花子くん】先輩のあなたに【源光】 (ページ1)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:7,527 hit

昼休みのガールズトークページ1

それは昼休みのガールズトーク。
かもめ学園中等部2年C組の教室の一角はひそかな賑わいを見せていた。

｢ユキってねー、藤先輩が好きなんだって！｣
｢そーなの！？あ、A、生徒会だよね。藤先輩普段どんな感じなの？」
｢うーん…あまり性格はよくないかな…。」
｢えー！？王子様みたいで憧れてたのに。
でも私は夏彦先輩の方がタイプだから！チャラい感じが好きなの」
｢えー！でもわかる♪背高いしカッコイイよねぇ」
｢ねぇA、Aは好きな先輩いる？」

｢私！？えっと、私は……………源先輩。」

｢だよねーー！！そりゃそうよ！学園一の人気者だもの！」｣
｢源先輩出すなんてズルいよ！この学園の女子はみんな源先輩のこと好きなんだから、源先輩は禁止！」
｢生徒会長でイケメンで、成績優秀なんて完璧すぎるよー！私も源先輩と付き会いたーい♡♡」

｢え…っと生徒会長じゃなくて、…源光先輩。弟の…」

｢｢えっ！そっち！？？｣｣

私はA。
中等部の2年。一応生徒会役員。密かに源先輩に恋をしている。
源先輩と言ったら生徒会長のイメージが強いけれど、弟の光先輩の方だ。
よく目立つ彼が、恋愛話で影が薄いのがなぜなのか分からない。いや…理由はあった。

｢なんで？どこが好きなの！？」

皆から問い詰められる。同意が貰えないのが悲しい。

｢あの…優しくて、かっこよくて、守ってくれそうな感じが…好き。
前、校庭で私が怪我しちゃった時…、先輩通りすがっただけなのに手当して保健室まで運んでくれたんだ。」

｢わー！A、顔真っ赤じゃん！本気なの？」
｢たしかにまぁ顔は源先輩の弟だけあって整ってるよね。」
｢へーー！光先輩ねぇ。いいじゃん！頑張って。
だけどさぁ、光先輩ってその…女子トイレの…」
｢いっつも女子トイレの掃除してるよねえ。」

そう、源先輩は放課後、高等部の先輩といつも女子トイレの掃除をしている。
それが原因で女子生徒から好かれていない、いやむしろ嫌われている。

私も女子トイレに入るのはどうかと思っている…だけど、彼は女子トイレを掃除するようになってから変わった。
私は変わった源先輩を好きになったから、女子トイレについてあまり文句を言えないのだ。

源先輩はいつも何かに忙しそうで、中々話す機会がない。
源先輩と仲の良い高等部の先輩が羨ましいと心底思う。
たしか…そう、八尋先輩だ。

私も源先輩との共通の話題があったらいいのにな。

その夢は思わぬ形で叶うことになる。