・ ページ3
須貝side
こうちゃんが深呼吸をしてから話し始める。
「・・・文字が小さくて、読みづらかったから、最後の辺りだけぱらぱらと、読んでて。
一番最後の文を読んでるときに、ちょうど今打ち込まれたみたいに、文字か出てきて。」
恐る恐るといった様子で『人類は滅亡した。』の文字を指差した。
「紙に書かれた文字が増えた？」
そんな非現実的なことがあるだろうか。
指で薄い紙を挟んでみても、どこにでもあるような厚さ約0.1�个離灰圈射兒罎澄�
「しかも今、さらに増えてるんでしょ？」
ホラーの苦手な福良は一歩離れたところから言った。
俺は続く『残念だ。』の文字へ目を向ける。
「じっと見てれば、また増えるんじゃない？」
福良の様子とは裏腹に、河村はぐいっと前のめりに覗き込んでくる。
その時
『s』
『残念だ。』の句点の後に、
一瞬遅れて
『さ』
と日本語になる。
文字の後ろに点滅するカーソルが見えるような気分になる。
『さて、』
キーボードに慣れきっていないような、もしくは慣れている人がわざとゆっくりと打ち込んでいるような、
『さて、次は』
息をするのも忘れたように、オフィスがしんと静まり返る。
しかし、文字はこれ以上出てこなかった。
ぺら、と俺の手から最後のページが滑り落ちて、ホッチキスの針を支点に揺れる。
いや違う。
32ページを俺は持ったままだ。
ゆらゆらと紙が揺れる。
今、新しく出てきた、
13回目の1ページ目が白紙のまま揺れる。
下方の、赤いインクの1の数字だけが揺れる。
たった今起こった非現実に、脳が理解を拒否する。
誰かがひゅ、と息を飲んだ。
暗転
バサリ
支えを失った紙の束だけが、重力にしたがって落ちた。
________________________
プロローグが長い
ようやく始まります。
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はるか(プロフ) - 続き待ってます！！ (2022年1月23日 13時) (
レス) @page16 id: c4a3ef0428 (このIDを非表示/違反報告)
えい - とっても大好きです…！ (2021年8月1日 7時) (レス) id: 5a5b4a4754 (このIDを非表示/違反報告)
冥酩幸(プロフ) - 海町さん» コメントありがとうございます！空間描写は力を入れているつもりなので、そう言っていただけると非常に嬉しいです！！(喜びの舞い) (2020年12月7日 7時) (レス) id: 7edbd75eee (このIDを非表示/違反報告)
海町 - 最高です。描写がメンバーさん達のいるところがよくわかるように書かれていて、とっても素敵です。想像しやすい。 (2020年12月6日 21時) (レス) id: ede98b80e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冥銘幸 | 作成日時：2020年12月1日 23時
