プロローグ ページ1
こうちゃんside
脳が理解を拒んだ
悲鳴が喉に詰まったようだ
___________
忙しい年末に、珍しく動画の中心メンバー6人が偶然にもオフィスに集まった。
そして始まる大掃除
「伊沢さん!この資料まだいるやつ!?」
「誰!?床濡らしたままにしてるの!?」
「書類を床に置くな!踏むぞ!?」
もしくは大騒ぎ
資料、書類の整理、掃除、道具の整備や整理
これらを同時にこなそうとしたらこうなるのは自明の理である。
中学、高校の掃除の時間はこんな感じだったけなぁ、と20を過ぎた大人たちの喧騒を右から左へ聞き流しつつ、山本さんと一緒に様々な道具の整理を進めていく。
「山本さん、これここ置いてていいかな。」
「あー、いいんじゃない。」
マイペースに進めていた道具の整理もほとんど終わり、確認に入ろうとしたその時。
さっき整理していた場所に書類が置かれているのが視界に映った
「うん?」
こんなところに書類が置かれているはずはないし、そもそも今丁度端から整理していった後である
見落としていたはずがない
誰かが今置いていったのかな?
ぐるりとあたりを見渡してみても、何か言い合っている伊沢さんと福良さんは数メートルは離れているし、須貝さんはあっちにこっちにおおきく動き回っていて、近づいてくれば気がつくだろう。河村さんはそもそも見つからない。と思ったら発掘されたボードゲームで遊んでいる。何してるんだあの人。
じゃあこの書類は?
少し不気味に思いながらひょいと掴み取る。
思ったよりも重たい
「なんだこれ。」
100枚はあるんじゃないかというほど分厚い紙の束
右上端がホッチキスで止められていて、表紙は真っ白。
おかしいな、書類の表紙にはだいたい書かれているものの名前だとか、そういうことが書かれているんじゃないんだろうか
一人首をかしげていると、不審に思ったのか、山本さんがぴょこ、と覗き込んできた
「なぁにそれ。そんなのあったっけ。」
「俺もそれ思ったんですよ。無かった気がするんだけどなあ、」
「表紙も白いし、何が書いてあるんだろ。」
山本さんと顔を見合わせて、少し笑みを浮かべる。
背後でボードゲームを取り上げられた河村さんと取り上げた福良さんとの高レベルな口喧嘩が聞こえる。他のみんなはこっちがこそこそとなにかをしていることには気づいてないようだ。
宝の地図を見つけたような高揚感
二人でしー、と人差し指を立て、俺は表紙へ手をかけた
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はるか(プロフ) - 続き待ってます!! (2022年1月23日 13時) (レス) @page16 id: c4a3ef0428 (このIDを非表示/違反報告)
えい - とっても大好きです…! (2021年8月1日 7時) (レス) id: 5a5b4a4754 (このIDを非表示/違反報告)
冥酩幸(プロフ) - 海町さん» コメントありがとうございます!空間描写は力を入れているつもりなので、そう言っていただけると非常に嬉しいです!!(喜びの舞い) (2020年12月7日 7時) (レス) id: 7edbd75eee (このIDを非表示/違反報告)
海町 - 最高です。描写がメンバーさん達のいるところがよくわかるように書かれていて、とっても素敵です。想像しやすい。 (2020年12月6日 21時) (レス) id: ede98b80e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冥銘幸 | 作成日時:2020年12月1日 23時